採用情報
入社前はどのようなことをしていましたか?
学生時代は、焼酎蒸留廃液の有効利用を目的に、微生物発酵による水素生産を研究していました。かつて海洋投棄されていた焼酎蒸留廃液ですが、環境負荷が大きいことから、陸上での処理が必要とされていました。焼酎蔵元でアルバイトをしていた経験から自ら提案したテーマで、学生の意思を尊重してくださる教授のもとで取り組みました。また、学生時代に焼酎蔵元巡りで九州を一周した際、フルーティで繊細な香りの焼酎や、力強く素朴な印象の焼酎に出会い、つくり手の考え方や個性が香りや味わいに表れることに面白さを感じました。微生物の働きが香りやおいしさを生む奥深さに触れた経験は、今の仕事にもつながっていると感じます。
長谷川香料に入社を決めた理由を教えてください。
就職活動をするまで、香料業界についてはほとんど知りませんでした。研究室の後輩が先に内定を得ていたことをきっかけに、香料会社の存在を知りました。学生時代に微生物を扱っていたため、発酵や微生物に関わる技術を活かせる仕事に興味がありました。当社もそうした技術開発に取り組んでいると知り、面白そうだと感じたことを覚えています。最終面接では、役員として活躍される方々の仕事への向き合い方を伺いたく、「将来、役員として活躍される方々のように成長するには、何を大切にすべきですか」と質問しました。役員の皆様とお話しできる機会は滅多にないと考えて質問したのですが、率直な質問にも耳を傾けてくださったことが印象に残っています。学生の率直な質問も温かく受け止めてくださったことから、挑戦する意欲を大切にしてくれる会社だと感じ、入社を決意しました。


現在どのような仕事をしていますか?
技術研究所に所属し、主にミルクやチーズ様風味の食品に使われる風味増強素材の開発を担当しています。私の仕事は、素材の処方を設計し、試作するだけではありません。営業担当者とお客様を訪問し、求められる風味や評価を直接伺い、その内容をもとに処方を設計し、実際の食品に加えて評価・改良を重ね、提案につなげます。開発した素材が採用された後は、安定して製造できるよう製造部門への引き継ぎまで担当します。お客様の声を起点に、開発から製品化まで一貫して関われることが、この仕事の面白さだと感じています。
これまでの仕事の中で、一番印象に残っているエピソードを教えてください。
大手乳業メーカー様の白物乳飲料(カルシウムや鉄分などを加えた、見た目が白い乳飲料)に、一から開発した素材を採用いただいた経験です。当時は白物乳飲料での採用実績がなく、挑戦的なテーマでした。私が担当を引き継いだ時点で、最初に提出したサンプルに対して「風味が弱いので、5倍ほど強いものを出してほしい」というご要望をいただいていました。何を求められているのかを深く理解するため、お客様への同行訪問、試作、評価を何度も繰り返しました。「より風味の強いものを」と求められても、単純に風味を強くすれば解決するわけではありません。営業担当者の情報収集にも助けられながらお客様のイメージに合わせ、周りの要素を削ぎ落としたり加工方法を変えたりと、試行錯誤を重ねました。また、お客様のもとへ訪問した際、風味のひとつの方向性として「ある牛乳のこの風味がほしい」と伺い、帰りの駅前のスーパーで実際に購入して確かめたこともあります。牛乳類は老若男女に飲まれる飲料であるため、素材を添加したことで風味に違和感が生じてはなりません。営業担当者と何度もお客様のもとへ通って評価を伺い、すぐに持ち帰って改良する作業の繰り返しでした。苦労はしましたが、言葉だけでは捉え切れないイメージを、処方に落とし込む難しさと面白さを実感しました。最終的に採用が決まり、役員の皆様へ報告した際、当時の営業担当役員から「白物に採用されるのが悲願だった」と声をかけていただいたことが心に残っています。営業と開発が一体となってお客様の要望に向き合い、形にできたことは、非常に大きな達成感を得られる経験となりました。

普段、チームの雰囲気や周囲のサポートについてどのように感じていますか?
長谷川香料の技術研究所の技術領域は幅広く、香料化合物を合成する人、香りや呈味成分を分析する人、香料を使いやすい形に加工する人、そして私のように食品加工に携わる人など、さまざまな専門家がいます。開発を進めるなかでは、自分の専門だけでは解決できない課題もありますが、困ったときには部署や立場を問わず気軽に相談しに行ける環境があります。それぞれの専門家から意見をもらえることで、一人では思いつかなかった解決策や視点が得られることも多く、心強く感じています。幅広い技術を持つ仲間と協力しながら、お客様の課題に向き合えることが、当社で働く魅力の一つだと思います。
今後挑戦したいことや、未来の仲間へのメッセージをお願いします。
微生物発酵を活用したものづくりに挑戦していきたいと考えています。私が所属するグループは、長谷川香料の中で微生物を用いた処方開発を担当する部署です。現在、微生物発酵を用いた製品や開発テーマは決して多くありませんが、だからこそ、この技術を継承し、新たな価値へとつなげていくことには大きな意義があると感じています。微生物が生み出す香りや機能の可能性を丁寧に探り、私たちのグループならではの強みとして育てていきたいです。日々の業務を通じて知識と経験を積み重ねながら、少しでも「面白い」と思えるテーマを見つけ、一つずつ形にしていけたらと思います。就職活動中の学生の皆さんには、背伸びをして自分を取り繕うよりも、自分らしさを大切にしながら会社と率直に向き合ってほしいと思います。そのうえで、自分が「面白い」と感じられるテーマや環境を見つけてください。
Column私の特等席・お気に入りの道具

自宅のベランダが私の特等席です。毎朝、「香料会社に勤めているから」と思って買ったバラに水をあげてはカイガラムシがいないか、柚子の葉にアゲハ蝶の幼虫が付いていないか確認し、40Lトロ船ビオトープで育てているメダカに餌をあげ、ヒツジグサはまた平日に咲くのか(羊の刻に咲くので平日に咲かれると拝めない)と一人で愚痴をこぼしたり。週末一人の日はベランダで焼肉を焼いてビールを飲み、時には燻製も楽しんでいます。ベランダ環境改善のため高圧洗浄機も購入しました。家にいるとき、寝るとき以外はベランダで過ごす時間が一番長いかもしれません。