入社前はどのようなことをしていましたか?

学生時代は幼稚園から大学まで17年間野球を続けておりました。度重なる怪我による離脱で、その都度「野球を辞めよう」と思うこともありました。また、思うように結果が出ず苦しい時期も経験しましたが、そうした困難を乗り越えて部活動を最後まで諦めずにやり遂げたことで、粘り強さや忍耐力、強い精神力、そして仲間と共に一つの目標に向かって取り組む姿勢が身につきました。学生時代を振り返ると、体作りのためにプロテインを飲み、部活動で着用するユニフォームから漂う柔軟剤の香りに癒されるなど、知らず知らずのうちに香料と深く関わる生活を送っていました。練習の後に飲むプロテインの味や、人によって異なる柔軟剤の香り。これらと同じ香りに、現在の生活の中でふと触れると当時の記憶が鮮明に蘇り、香りが人の記憶や感情に与える影響力の大きさにはいつも驚かされます。当時はチョコやバニラ味が主流だったプロテインを練習後に水で割って飲んでいたのですが、タンパク質特有のにおいを香料でマスキング(不快なにおいを消す技術)することで美味しく飲めていたのだと、社会人になってから知り、香料のありがたみを実感しました。近年はコロナ禍以降の健康意識の高まりや、ダイエットなどを目的とした植物性プロテインへの移行もあり、味のバリエーションが非常に増えています。それに伴い、香料の果たす役割も広がっていると感じています。

長谷川香料に入社を決めた理由を教えてください。

香りは製品の印象や購買意欲を大きく左右する重要な要素であり、幅広い商品開発に携われる点に魅力を感じて香料業界を志望しました。一般消費者にとって香料業界は馴染みが薄いかもしれませんが、香りは日常生活のさまざまな場面で重要な役割を担っています。例えば、食事を「おいしい」と感じるうえでも、香りは欠かせない要素の一つです。
また香料業界では、多様な業界のお客様と関わりながら、一つのカテゴリーにとらわれずに商品開発に関わることができます。自分が提案した香料が採用され、最終製品として世に出た際、目に見える形でやりがいを実感できる点も大きな魅力です。中でも当社は食品香料の売上構成比が高く、営業職として自身が目指す働き方を具体的にイメージできたため、入社を志望いたしました。

現在どのような仕事をしていますか?

食品香料(フレーバー)の営業職として、大手飲料会社を担当しています。お客様が開発したい商品のイメージについて、対面や電話、メールなどで密にコミュニケーションを取りながら、正確にヒアリングを行います。そして、その情報を研究部門やマーケティング部などの関係各所と共有し、お客様のイメージしている商品を検討する上で必要な香料サンプルやアプリケーション(香料を飲料や食品に添加して応用・評価するための試作品)、説明資料といった提案するための準備を進めます。実際に香料サンプルが完成してからは、提案品の特徴やどのような意図をもって開発したのかをお伝えし、イメージ通りの香りでご採用いただけるか、あるいはどのような点が改善されればよりイメージに近づけることができるかを丁寧に確認していきます。
そして、提案した香料がお客様の商品に採用されて終わりではありません。製造された香料を無事にお客様の工場へ納品するため、在庫状況を確認することも忘れてはならない重要な業務です。「お客様の製造ラインを止めないよう、確実にお届けするまでが営業サービスの本質」だと認識しています。こうして自分が関わった商品が無事に発売され、店頭に並んでいるのを実際に目にしたり、口にしたりした瞬間には、大きな達成感を味わうことができます。

これまでの仕事の中で、一番印象に残っているエピソードを教えてください。

現在担当している大手飲料会社へ異動した直後に経験した大型商品のリニューアル案件です。異動後1ヶ月も経たないうちに開発案件が立ち上がり、当社としては、既存の採用香料の維持はもちろん、さらに採用シェアを拡大するというテーマが同時並行で進む、極めて重要度の高いものでした。一方で、私自身にとって清涼飲料の開発案件を担当するのはこれが初めてでした。日常的に500mlから2Lサイズで大量に消費される飲料は、香料の市場規模が大きく、競合他社との品質競争や提案スピードが厳しく問われます。学生時代の部活動で体力やメンタルは鍛えていたものの、開発スピードの速さとプロジェクト規模の大きさに、当初は強いプレッシャーを感じました。そこで、社内の関連部門と密に連携し、情報を早期に集約したうえで、優先順位を明確にしながら正確かつ迅速な提案・対応を徹底しました。その結果、無事に採用していただき、かつ採用シェアの向上に大きく貢献することができました。この重要案件を最後までやり遂げられたことは、自分にとって大きな自信となりました。

普段、チームの雰囲気や周囲のサポートについてどのように感じていますか?

当社は研修制度が非常に充実しており、香料という専門性の高い分野に対して、学生時代に馴染みがなく不安を感じる方でも安心して業務に取り組める環境が整っています。実際に私自身、学生時代は法学部に在籍しており、香料はもちろん、化学分野を専門的に学んだことはありませんでしたが、入社後の丁寧な研修を通じて不安は解消され、現在では営業職として自信を持って業務に取り組んでいます。
また、営業として配属された後は、関連部署との連携が不可欠です。特にお客様への提案業務においては、研究部門(フレーバリストなど)と日々密に連絡を取り合い、プロフェッショナルな視点から助言をもらっています。そうして得た確かな情報をもとに、提案内容の精度を高めるよう努めています。具体的な既存商品をヒントとして提示したり、お客様の依頼以上のバリエーションを複数提案して反応や開発の方向性を探ったりしています。お客様のご要望に合わせて一からオーダーメイドで香りを形にしていくからこそ、単なる製品知識だけでなく、人と人とのつながりを大切にしたチームワークが活きると感じています。こうした強固な連携体制こそが、お客様に香料をご採用いただける可能性を高めているのだと実感しています。

今後挑戦したいことや、未来の仲間へのメッセージをお願いします。

今後も営業職としてのキャリアを重ねながら、これまで経験のないカテゴリーの開拓にも挑戦したいと考えています。これまでに酒類や畜肉・水産加工品、冷凍食品、清涼飲料など、幅広い業界を担当してきたため、次は未経験である菓子業界へのアプローチや、将来的には海外市場への挑戦など、自身の対応領域をさらに広げていきたいです。 これから一緒に働く仲間に期待するのは、「とにかく香りに興味を持っていること」です。食品香料の営業として、やはり第一に“食”や“香り”への関心が欠かせません。単なる製品知識だけでなく、実際に話題の新商品を自分で購入して試してみたり、様々なフレグランス用品にアンテナを張って香りを身近に感じてみたりするなど、日々感性を磨くことが大切です。そうして自身の食経験や日頃からの情報収集は、お客様への提案の幅や説得力に直結し、営業活動における大きな武器になると確信しています。当社だからこそ、非常に幅広い商品開発に関わることができ、世の中の食生活や日々の暮らしを「香りの力」で陰から支えているという実感とやりがいを、肌で感じることができます。

Column私の隠れたこだわり

実は私には、こだわりのアイテムをコレクションする趣味があります。最初に集め始めたのは香水です。気分に合わせてさまざまな香りを使い分けることで、1日のモチベーションを高めることができます。また、「あの旅行ではこの香水をつけていたな」と、香りを嗅ぐことで当時の思い出が鮮明に蘇るのも魅力です。最近ではゴルフボールの収集にハマっています。旅行先や有名なゴルフコースで、限定コラボされたボールナンバー「1」のものだけを集めています。時間の経過とともに劣化してしまうため、「使わなければもったいない」という葛藤もありますが、集めたコレクションを綺麗に並べて整理している時間は、私にとって至福のひとときです。