トップメッセージ

長谷川香料グループが考えるサステナビリティ

国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の発効を背景に、環境問題をはじめとする社会課題の解決に向けた動きが世界で加速しています。世界気象機関(WMO)の発表によると、2020年の世界の平均気温は観測史上最高水準となり、これまでにない規模の洪水氾濫や土砂災害も頻発しています。異常気象は天然原料の収量や品質の低下、災害による施設・設備の損壊やサプライチェーンの断絶による事業活動の中断、気温上昇による顧客ニーズや消費者動向の変化をもたらし、長期的には水資源利用への影響も見込まれます。

このような環境の中、長谷川香料グループでは、変化を恐れず挑戦する組織を目指し、2017年から経営改革を進めています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が長期化し、世界各国に甚大な被害をもたらしていますが、コロナ禍という非常に大きな経営環境の変化の中でも、2020年度は最高益を達成することができました。これは時間をかけて改革を推進してきた結果、従業員一人ひとりの意識や企業風土に変化が生まれ、リスクに柔軟に対応できたからであると考えています。

また、当社グループでは、香りの技術を通して顧客の企業価値向上に貢献するという方針のもと、「カスタマーファースト」から一歩進んだ「カスタマーサクセス」に取り組んでいます。コロナ禍で顧客が経済活動の影響を受け、「新常態」への対応を余儀なくされる今、特にこの「カスタマーサクセス」の視点は非常に重要であると考えています。マーケット調査・分析等の活用による生活者の潜在的欲求の把握、提案力強化を推進し、顧客の多様化・高度化する要望により一層迅速に対応してまいります。そのため、2020年10月に、研究、営業、マーケティングを統括するビジネスソリューション本部を立ち上げました。さらに、グローバルでサプライチェーン全体を見据えた環境や社会の影響を考慮し、複雑化する様々な社会的課題や要請、リスクに組織的に対応するため、経営企画部及びCSR部が中心となって事業戦略と一体となったサステナビリティへの取り組みを推進しています。

香りの可能性は無限大です。当社グループでは、少子高齢化を背景に高まる健康志向への対応、世界的に枯渇する食品原料を代替する香料の開発等に注力しており、それが食料不足をはじめとする現代社会が抱える課題解決につながると考えます。こうした香りの可能性を引き出し「カスタマーサクセス」につなげてきたのは、1903年の創業以来当社グループを支えてきた「人財」です。あらゆる部門の従業員がそれぞれの立場で「専門家としての揺るぎない視点」「ニーズに対応していく熱意」そして「仕事を成し遂げる力」を発揮することで、当社グループの香料づくりは発展してきました。社是である『技術立社』とは、各部門の壁を越え、常に連携し、刺激し合いながら、香料を通じて、よりよい世界へと貢献していく、我々の姿勢を表明したものです。当社グループは、世界が抱える課題を香りの技術を使って解決し、人々が平等で幸せに暮らせる世界を目指して、豊かな社会づくりに貢献してまいります。

長谷川香料株式会社
代表取締役社長

海野 隆雄