国際営業部門
自分の手で
新しい海外拠点を
切り開いていきたい
T.S.
T.S.
私はいま、国際部で、本社のある東京を拠点としながら海外企業の新規開拓や各国にある現地法人の支援業務などを行っています。
日本国内の人口は減少傾向にあり、将来的に市場の拡大が難しいなか、私たち長谷川香料でも海外への進出に非常に力を入れています。現在アジアを中心に世界10拠点があり、そのうち私は韓国・台湾・中国を担当しています。
国内の営業は、フレーバーとフレグランスで部門が分かれていますし、担当もクライアント単位だったりしますが、国際部の場合は、国単位での担当になります。新規開拓につながるような大きなプレゼンテーションやご提案には、私たちが直接現地に出向いて行うことも多く、一度現地に足を運べば時には何十社という数のお客さまを訪問します。
日常業務といえば、日々の営業活動を行っている現地法人や代理店の支援業務があります。長谷川香料が提供する製品は一つひとつがオーダーメイド。お客さまのニーズを正確に読み取り、スピード感を持って対応することが重要です。だからこそ現地スタッフの育成・教育にも力をいれています。
とはいえ、国が違えば文化や風習、市場動向の違いなどもあり、現地のスタッフが引き出してきてくれたお客さまのニーズを、そのまま日本の研究部門や製造部門に連携しても、細かなニュアンスなど伝わらないことも多々あります。自ら度々現地に赴き、現地の状況を理解した上で、海外と日本のスタッフとの橋渡し役をすることも、私たちの大切な仕事です。
たとえば、「スピード感」でしょうか。日本企業の場合、新製品を出すタイミングは年間を通しておよそ決まっており、そこに向け順を追って開発等も行われていきますが、アジアの現地企業では、そうとは限りません。突然「来月新商品を出すことになったから、香料を提案してほしい」という差し迫ったオーダーをいただくこともしばしば。最初は、そんなスピード感で開発できるわけがないと私も思っていたのですが、それが本当に発売されるので驚きました(笑)。
いままでの常識が必ずしも通用しないところで、自分はこうしてきたからと日本の仕事スタイルを押し通しても次につなげることはできません。柔軟な気持ちで、時に厳しい局面でも相手を一旦受け入れ、なぜそういうことになるのかといった背景まで理解し、対応していくことが、海外ならではの難しさでありやりがいともいえるのではないでしょうか。
私が海外の担当になったばかりの頃、現地企業の駐在員として、日本にちょうど赴任されたばかりのお客さまがいらっしゃいました。先輩から紹介されてお得意さまとしておつき合いがはじまったのですが、その方が日本にいる間、一緒に市場調査をして回ったり、日本のヒット商品を紹介したり、その方の好みやニーズを先回りして新しい提案をしたりするなかで、一緒にものづくりをしているような関係を築くことができました。国に戻られてからも、私と一緒に仕事がしたいと、さまざまな機会をつくってくださり、実際に現地の新商品に採用されたこともあります。
たとえ国は違っても、企業対企業という関係を超えて、人と人の関係性があってこそ、いい仕事ができるということを実感したのを覚えています。
いま直近で構想していることは、たくさんの優秀な後輩を育てて、海外にどんどん送りだしたいということです。国内での経験や専門知識を蓄えることも重要ですが、まずは実際に海外に出てみて、初めてのことだらけの環境でも、どうにか自分なりの解決策を見つけ仕事をつくっていくような経験をぜひして欲しいと考えています。
そして、自分自身の将来としては、長谷川香料の新しい海外拠点を自分の手で切り開くことにチャレンジしてみたいですね。海外ならではのさまざまな事情や不自由もあるなかで、現地のスタッフ含め家族を守るくらいの大きな気持ちでやってみたい。そんな目標を持っています。