コンプライアンス

基本的な考え方・方針

当社グループは、コンプライアンスを企業活動における最重要課題の一つとして位置付けています。全役員及び全従業員の職務の執行が法令及び定款に適合するように、かつ企業の社会的責任を果たすため、「長谷川香料企業行動規範」とコンプライアンス規程を定め、それを全役員及び全従業員に周知し、コンプライアンスの徹底を図っています。

贈収賄・腐敗防止に関する方針の制定

当社グループは、国連グローバル・コンパクトの掲げる「人権・労働・環境・腐敗防止」に関する10原則を支持し、「長谷川香料グループ贈収賄・腐敗防止に関する方針」を制定しています。長谷川香料グループ贈収賄・腐敗防止に関する方針については、毎年9月開催のコンプライアンス委員会においてレビューし、内部統制や委員会での審議等の状況とともに、取締役会に報告、監督を受けています。持続可能な世界の実現に向けて、今後も全てのステークホルダーに対して責任のある経営を推進していきます。

長谷川香料グループ贈収賄・腐敗防止に関する方針

長谷川香料グループは、贈収賄を含むあらゆる腐敗行為は、公平公正な事業活動を行う上で絶対に許されるものではないとの認識のもと、贈収賄・腐敗防止に関する以下の基本指針を定め、事業を展開する国及び地域の法令等を遵守した事業活動を徹底します。

本基本方針では、自国・外国公務員や取引先に対し、不正な利益を求める目的で金品、便宜その他の利益供与を行うことや、過剰な接待、贈答品の授受などの贈収賄および、詐欺、談合・癒着等の不正競争を含むあらゆる形態の腐敗行為を禁じます。

  1. 長谷川香料グループは、就業規則及び「長谷川香料企業行動規範」に明記している「法令等の遵守」、「取引先に対する行動」及び「納入業者との関係」に基づき、国内外で適用される贈収賄・腐敗防止関連の法令及び企業道徳を遵守し、あらゆる贈収賄・腐敗行為を一切容認しません。
  2. 長谷川香料グループは、いかなる理由があっても、贈収賄・腐敗行為やこれに類する不正な手段によらなければ得られない利益は一切求めません。また、国内外において当社グループの事業に関与する一切のビジネスパートナーにも、本方針の趣旨を十分ご理解いただき、これらの不正な手段により当社グループのために利益を図ることがないよう協力を要請します。
  3. 長谷川香料グループは、贈収賄・腐敗防止に関する統括責任者に管理部門管掌役員または副管掌役員を充てることとし、贈収賄・腐敗防止に必要な教育及び内部通報システムの拡充等の対策を講じ、コンプライアンス体制の整備に努めます。

※「腐敗行為」とは、地位や権限を濫用して不正な利益を得るあらゆる行為を指し、贈収賄、過剰な接待、贈答品の授受、横領行為、談合や癒着等の不正競争、強要、詐欺、不正経理、資金洗浄等を含みます。

以上、本贈収賄・腐敗防止に関する方針は、長谷川香料グループの取締役会において、2024年11月28日に承認されました。

税務方針の制定

当社グループは、グローバル展開の推進に伴い、税を取り巻く状況が複雑化する中、当社グループが事業を展開する各国・各地域における税務リスク等に適切に対応するため、税務ガバナンスの強化に取り組んでいます。この取り組みの一環として、当社グループの全役員及び全従業員の税務コンプライアンス意識の醸成を目的に、「長谷川香料グループ税務方針」を制定しています。

長谷川香料グループ税務方針

基本方針

長谷川香料グループは、「長谷川香料企業行動規範」に基づいて法令を遵守し、当社グループが事業を展開する各国・各地域において、納税義務を適正に履行することで企業の社会的責任を果たすとともに、企業価値のさらなる向上を目指します。

  1. 法令遵守
    当社グループは、各国・各地域での税務関連法令・規制の立法趣旨を理解し、納税義務を適正に履行します。 事業実態を伴わない施策による優遇税制の利用や、タックスヘイブンとみなされる地域を利用した租税回避は行いません。また、国際取引においては、各国・各地域の法令及び租税条約、国際的な課税ルールを遵守します。
  2. 透明性の確保
    当社グループは、準拠すべき会計基準、開示基準に従い、全てのステークホルダーに対して適切な情報開示に努めます。また、税務当局から要請があった場合には、必要な情報提供を行い、当局との信頼関係を構築します。税務上の問題点の指摘などがあった場合には、速やかに改善措置を講じ、再発を防止します。
  3. 税務リスクの最小化
    当社グループは、税制の正しい理解を通じて、企業価値向上に向けた税務リスクの最小化を目指します。事業活動における税務上の解釈が不明確な取引については、専門家からのアドバイスを受けて事前に十分な検討を行い、必要に応じて税務当局への確認を実施することで、税務リスクの低減に努めます。
  4. 税務ガバナンス
    当社グループは、事業環境の変化や各国・各地域の税制改正等に対し、外部専門家からのアドバイスを受けながら、税務関連法令の解釈に正確性を期すべく、各拠点において適時適切に対応しており、当社に対しても速やかに情報共有できる体制を整えております。

以上、本税務方針は、長谷川香料グループの取締役会において、2024年11月28日に承認されました。

動物実験に関する考え方

当社グループは、フレーバー、フレグランス製品の研究開発に際して、動物実験を行わない方針です。また、動物実験を伴う活動に対して援助は行いません。

ただし、行政当局から求められた場合、動物実験が避けられないことがあります。

体制

当社グループは、従業員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための取り組みを今後も継続するとともに、グループ各社と連携し、当社グループ全体のコンプライアンス体制の充実・強化を図っています。

コンプライアンス委員会

コンプライアンス規程に基づき設置され、代表取締役会長(CEO)を委員長とし、取締役を含むメンバーで構成されています。コンプライアンス委員会は、違法行為の発生を未然に防ぐとともに、潜在する違法行為の放置、隠蔽を防ぎ、違法行為があったときは、その実態を早急に把握し、対策を協議して是正することを目的とし、社内に違法行為がないか、定期的に調査しています。

コンプライアンス委員会は、年に1回開催しており、コンプライアンスに関する重要事項の審議、理解度テストの結果等の報告を行っています。

コンプライアンス委員会構成員
委員長 海野 隆雄(代表取締役会長(CEO))
副委員長 長谷川 研治(代表取締役社長兼社長執行役員(COO))
委員 知野 善明(代表取締役兼副社長執行役員)
中村 稔(取締役兼専務執行役員)
中村 哲也(取締役兼専務執行役員)
他委員 11名
オブザーバー 松本 健宏(常勤監査役)
事務局 総務部・人事部(2024年10月1日付)
コンプライアンス委員会体制図
コンプライアンス委員会体制図
社内通報制度

過剰な接待、贈答品の授受、横領、不正競争等のあらゆる贈収賄・腐敗を含むコンプライアンス違反やハラスメント行為の通報窓口として、当社及び子会社において社内通報制度を設けて、複数の社内通報窓口に加え、経営陣から独立した窓口として外部の弁護士への通報窓口を設置しています。社内通報制度の運用にあたっては、匿名性と守秘義務を保証しています。いかなる場合においても、関係法令及びコンプライアンス規程に従って行われた相談・通報を理由として、当該相談・通報者及び調査協力者に対し、不利益な取り扱いをとらないこととしています。また、通報は匿名も可能で、通報者の個人情報や通報者の特定につながるおそれのある情報は社内通報窓口において、厳重に管理しています。コンプライアンス委員会及びコンプライアンス委員会事務局は、常勤監査役と連携して、通報者に対する不利益な取り扱いの有無について監視することをコンプライアンス規程に明記し、当社グループの全役員及び全従業員に周知徹底しています。

社内通報制度の担当部署は、当社グループ各社における役職員からの内部通報の状況を確認し、事実関係の調査及び対策の検討を行いました。また、その内容を取締役及び常勤監査役をメンバーに含むコンプライアンス委員会において、定期的に報告するとともに、取締役会へ運用状況を報告しています。

社内通報制度

コンプライアンス員会体制図
内部統制の整備・運用

財務報告の信頼性を確保するため、内部統制規程を定め、財務報告に係る内部統制を整備、運用し、その有効性を適正に評価する体制を構築しています。

戦略

コンプライアンスに関する研修・教育の実施

全役員、出向者及び派遣社員を含む全従業員に対し、「長谷川香料企業行動規範」を配布し、随時確認することができる環境を整備し、またその職務の執行に係る法令等に関する研修・教育の年1回以上の継続的な実施等により、コンプライアンスを尊重する意識の醸成に努めています。

誠実性及び倫理観を遵守することを求める行動基準や規範が周知されているかを確認するため、執行役員、並びに出向者、派遣社員を含む全従業員に対して、コンプライアンス理解度テストを年1回継続的に実施しています。その内容には、法令違反のみならず、贈収賄・腐敗防止方針、インサイダー取引の禁止等を含む長谷川香料グループ行動規範、社内通報制度、ハラスメント予防等を含んでいます。

また、内部統制への理解促進のため、新入社員及び新任管理職に対し、それぞれ年1回内部統制に関する研修を実施していきます。

内部監査

内部監査部門は、内部監査計画に基づき、当社の業務について内部監査を実施しています。

ハラスメントへの対応

当社及び子会社では、職場におけるハラスメント(セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児・介護休業等に関するハラスメント及びパワーハラスメント等)の防止を目的として、従業員が遵守すべき事項並びに言動に起因する問題について管理上の措置をハラスメント防止規程に定め、周知徹底しています。

また、新任管理職全員に対して、年に1回、ハラスメント予防研修の受講を義務付け、ハラスメント予防に向けて、継続して取り組んでいきます。

反社会的勢力や団体への対応

当社グループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力や団体に対しては毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断するとともに、同勢力や団体からの不当な要求には断固たる行動をとるものとしています。当該内容を「長谷川香料企業行動規範」に定め、全役員及び全従業員が遵守しています。平素より警察等の関係行政機関及び団体からの情報収集に努め、事案の発生時にはこれらの機関及び団体、弁護士等と密接に連携し、迅速かつ組織的に対処できる体制を構築しています。

贈収賄・腐敗防止に向けた取り組み

持続可能な世界の実現に向けて、全てのステークホルダーに対して責任のある経営を推進していくために、当社グループは、全役員並びに全従業員が高い倫理感をもって誠実で公正に行動し、社会的責任を果たしていく必要があると考えています。

倫理監査

当社グループでは、一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、職業的専門家として監査人において、不正または誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別、評価を受けています。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続きを立案し、実施しています。

また当社は、SMETAを活用し、第三者監査機関による倫理監査を実施しています。今後も継続するとともに全拠点での実施をしてまいります。SMETA監査基準は、国際労働機関(ILO)が定める国際労働基準やEthical Trading Initiative(ETI)のベースコードを基に設計されており、就業時間や賃金等の適切な労働条件や雇用条件、安全かつ衛生的な労働環境、差別やハラスメントのない職場環境、贈収賄や汚職等のない国や地域に適応したコンプライアンス等を主な監査事項としています。

上記のほか、取引先等からの監査にも積極的に対応しています。

腐敗防止に関する内部統制

当社グループでは、M&Aや新工場建設等の比較的リスクが高いと考えられる事業活動においては、腐敗防止も含めたデュー・デリジェンスを実施しています。

指標・目標

当社グループでは、年1回のコンプライアンス理解度テスト受験率100%、新任管理職全員に義務付けるハラスメント予防研修受験率100%を指標として、グループ全体のコンプライアンス体制の充実・強化を図っています。2023年度においては、コンプライアンス理解度テストの正答率は100%であり、コンプライアンスに関する各種規程類への理解が深まっていることを確認しています。

また実績として、内部通報件数、重大なコンプライアンス違反件数、コンプライアンス関連研修実施回数、罰金総額、贈収賄・腐敗防止方針に違反した従業員の処分件数、贈収賄や腐敗に関連する罰金総額等を管理しています。重大なコンプライアンス違反とは、当社グループの事業継続に関わるもので、長谷川香料グループ企業行動規範に含まれるすべての項目を対象としております。2023年度は重大なコンプライアンス違反はありませんでした。
詳細は「長谷川香料グループ ESGデータブック(PDF)」でご確認ください。