フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

AI を活用した感性予測

-嚥下感覚を改善する

香りの開発-

嚥下は複数の筋肉が上手く連動して起こる複雑な運動です。このため、喉の筋肉の活動を記録したデータには、「飲み込みやすさ」や「すっきり感」などの嚥下感覚を読み取るヒントが隠されています。

そこで我々は、飲食時の筋活動データから時間/量/周波数因子といった特徴量を抽出し、人工ニューラルネットワーク(脳内の神経細胞ネットワークを模した数学モデル)を活用して、これら“筋活動データ”と“嚥下感覚に関わる官能評価データ”との相関を解析しました。

検討用のサンプルは、1)スポーツドリンクタイプ(糖度6.7度、酸度0.18%)と2)ニアウォータータイプ(糖度4.4度、酸度0.12%)の飲料とし、いずれもHASEAROMA®ミカンフレーバーを賦香したもの2品を常温と冷蔵で飲み比べました。

すると、温度や糖度・酸度によって変化する「すっきり感」の官能評価スコアを喉の筋活動データから予測できる可能性が示されました。

本研究成果は、AI(ニューラルネットワーク)を活用した嚥下感覚の評価予測システムの開発に繋がると同時に、嚥下感覚を改善し嗜好性を高める香料の開発への応用が期待されます。

この研究成果は2018年11月18日に開催された日本官能評価学会(会場:明治大学/東京都)でポスター発表を行いました。