フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

香りの嚥下サポート効果

-筋活動データを用いた

評価方法(嚥下マップ™)の開発-

香りには食品に対する摂食モチベーションを高め、唾液分泌を促す効果が認められています。唾液には、食塊形成を助ける役目があるため、唾液分泌を促す香りには、嚥下をサポートする役割も期待できます。そこで、本研究では、こうした香りの添加効果を客観的に分析し、“見える化”することを目的に嚥下に伴う喉の筋肉の筋活動を計測しました。

この研究成果は2018年8月22-24日に開催された日本食品科学工学会(会場:東北大学/宮城県)で口頭発表を行いました。

香りには食品に対する摂食モチベーションを高め、唾液分泌を促す効果が認められています。唾液には、食塊形成を助ける役目があるため、唾液分泌を促す香りには、嚥下をサポートする役割も期待できます。そこで、本研究では、こうした香りの添加効果を客観的に分析し、“見える化”することを目的に嚥下に伴う喉の筋肉の筋活動を計測しました。

方法/結果

まず、食塊量2.5、5、10、20 gのお粥を一回で飲み込んだ時の喉の筋活動を表面筋電位計測により測定すると、筋電図波形から飲み込んだ“お粥の食塊量”の判定が可能であることが分かりました。次に、カツオブシの香りを付与した20 gのお粥を飲み込んだ時の筋電図波形を解析すると、その波形パターンは20gより少ない量を飲み込んだ時のデータに近づく(お粥の重量にして約5 g分を軽減する )ことが示されました。

また、これらの結果は、判別の様子を示した2次元または3次元のグラフ(嚥下マップ™と名付けました)を作成することで、“官能評価の飲み込みやすさスコア”と“筋電図波形データ”との関係を直観的に分かりやすく表示することもできます。

つまり、喉の筋活動データに基づいて作成した嚥下マップ™は、筋電図波形データを官能評価スコアと結びつけて可視化できることに加え、香りの嚥下サポート効果を解析する際に有効な手段となることが期待されます。

実験には食塊量を変えたお粥を利用