フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

ドリアンの

品種別風味特徴と

嗜好性の把握

 ドリアンは果物の王様と称され、東南アジア、中国等で人気の高いフルーツです。多くの品種が流通しており、高級品で美味とされる品種も知られていますが、その品種間の風味差についてはよく知られていません。また、人種、国による嗜好性の違いについての報告事例もほとんどありません。

 そこで、マレーシアにて旬の時期に入手できた5品種のドリアンの風味特徴を把握するため、現地の専門パネルで記述分析法を用いた官能評価を行いました。その結果、甘く、クリーミーなタイプと苦味の強いタイプ等複数のグループに分類されました。また、マレーシアにおける消費者の品種間の嗜好性についても調査を行い、どのような風味特徴をもつ品種が好まれているのかを考察する事を試みました。

 その結果、最も嗜好性が高かった品種のドリアンは、甘くクリーミーな風味が特徴があることが見出されました。現地の果物の品種間の風味特徴の差を明らかにし、人種、国、地域の違いでどのような風味が好まれているのかを把握した今回の取り組みは、現地の消費者の嗜好性に合ったフレーバーの開発に繋がっています。

この研究成果は、2018年5月13日-5月15日に開催された第3回 Sense Asia 2019 -Asian Sensory and Consumer Research Symposium(マレーシア クアラルンプール)にて発表しました。現地法人T.HASEGAWA FLAVOURS(KUALA LUMPUR)SDN.BHD との共同研究です。

 
 
発表学会3rd SenseAsia 2019 -Asian Sensory and Consumer Research Symposium-
発表タイトル The difference in flavor characteristics and palatability among durian cultivars 発表者 藤木文乃、〇大森雄一郎、原口賢治、中村哲也、斉藤司、小久保憲二、西沢哲朗