生姜超臨界CO2抽出物より辛味に寄与する新規有用成分を同定

生姜超臨界CO2抽出物は生姜のフレッシュな香気や辛味を有しており、食品用香料原料として使用されています。われわれはこれまでに、生姜超臨界CO2抽出物から新規辛味成分として(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)dec-5-en-3-oneを発見しましたが、今回新たに、その類縁体である(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)dodec-5-en-3-oneおよび(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)tetradec-5-en-3-oneを発見しました。今回発見された化合物は、共に報告例のない新規化合物でありました。
辛味に関して官能評価を行ったところ、(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)dodec-5-en-3-oneおよび(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)tetradec-5-en-3-oneは、(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)dec-5-en-3-oneと比較して、辛味の特徴(辛味の強さ、辛味の発現の早さ、辛味の持続性)が異なることがわかりました。
今回発見した(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)dodec-5-en-3-oneおよび(E)-1-(4-hydroxy-3-methoxyphenyl)tetradec-5-en-3-oneを使用することにより、これまでにない独自の辛味を創出することが可能であると考えています。


【学会発表】
この研究成果は2025年8月27日~29日に開催された日本食品科学工学会第72回大会
(会場:日本大学湘南キャンパス/神奈川)で口頭発表およびポスター発表を行いました。