柑橘の花4種の香気特徴を明らかに

日本の露地栽培では4月下旬から5月にかけて柑橘類の花が開花し、よい香りがします。
その中でもダイダイ(ビターオレンジ)の花はNeroli oilやOrange flower absoluteの原料として知られています。柑橘類は多くの品種が存在しますが、花の香りは品種により異なります。
今回はダイダイ、グレープフルーツ、タチバナ、ユズの4種の生花の香気特徴を明らかにする目的で研究を行いました。
香気評価の結果、ダイダイとグレープフルーツはグレープ様とジャスミン様香気が強く濃厚な香り、タチバナは蜜様の甘さ、ユズはハーバルやグリーンな香気が強くさわやかな香りが特徴でした。香気分析の結果、 4種共通して重要香気成分と絞り込まれたのはフローラルなlinaloolでした。
このほか、ダイダイとグレープフルーツではグレープ様のmethyl anthranilateとジャスミン様のindole、 タチバナではmethyl anthranilate、ローズ様のgeraniolとハニー様のphenylacetaldehyde、ユズではグリーン・メタリックなmyrceneなどが重要であり、これらの成分が各品種の香りの特徴に寄与していることが明らかとなりました。
【学会発表】
この研究成果は2025年3月4日~3月8日に開催された農芸化学会2025年度大会
(会場:札幌コンベンションセンター/北海道)でポスター発表を行いました。