フレーバーフレグランス

アラビアガムの代替となる素材の開発

アラビアガムはマメ科アカシア属の幹から採取される天然の乳化素材であり、乳化力の高い添加物として世界中で多くの食品に使用されています。しかしアラビアガムは紛争地域として指定されているスーダンが主な生産地であり、その社会的な情勢から供給不安のリスクが高まっていることに課題があります。そこで本研究では、食品原料として広く使用されているタンパク質素材と多糖類素材をメイラード反応にて複合化させることで、持続的に入手でき、かつアラビアガムと同等の乳化分散能をもつ素材を開発することを目的としました。

 各種タンパク質(エンドウ豆、ソラ豆、大豆、カゼイン)とデキストリンを用いてメイラード反応を検討した結果、いずれのタンパク質についても乳化分散能が向上することを見出しました。また、複合化させるデキストリンのDE値が小さい方が、より乳化粒子を微細かつ安定に分散でき、アラビアガムと同等の乳化分散能を持つ素材を調製できることが見出されました。

 今回検討した技術を応用することで、アラビアガムの代替となる素材を開発できる可能性が示唆されました。


【学会発表】

この研究成果は2024年8月29日~31日に開催された日本食品科学工学会 第71回大会
(会場:名城大学 天白キャンパス/愛知県)で口頭発表を行いました。