フレーバー香気分析

粒状大豆タンパクの

重要香気成分の解明と

ビーフパティの香気成分との比較

 世界的なタンパク質の供給不足が危惧される中、大豆など植物性タンパク質はその解決を担う食材の1つです。また食肉(牛肉、豚肉、鶏肉など)の飼育に比べ、大豆などの栽培は環境にやさしく、サスティナブルなタンパク源としても注目されています。大豆の加工品である粒状大豆タンパクはプラントベースミートの主要な原料です。しかしながら粒状大豆タンパクは食肉にはない独特な風味を有しており、プラントベースミートの風味にネガティブな影響を与えます。そこで粒状大豆タンパクの風味を特徴づける重要香気成分の解明とビーフパティの香気成分との比較を試みました。

 粒状大豆タンパクとビーフパティ、それぞれについて香気濃縮物を調製しGC分析に供しました。その結果、2,3-diethyl-5-methylpyrazine、2-aminoacetophenone、2-phenylethanol、4-vinylguaiacol、4-vinylphenolなどが粒状大豆タンパクを特徴づける重要香気成分であることがわかりました。また粒状大豆タンパクの香気成分と比較すると、 (E)-2-nonenal、diacetyl、2-acetyl-2-thiazoline、acetoinなどはビーフパティに特徴的であることがわかりました。一方でhexanalやp-cresolは、粒状大豆タンパクとビーフパティに共通する重要香気成分であることがわかりました。

 本研究はプラントベースミートのおいしさを向上させるフレーバー開発へ活かされています。


【学会発表】

この研究成果は2024年9月24-27日に開催された17th International Weurman Flavour Research Symposium

(会場:Wageningen University & Research/The Netherlands)でポスター発表を行いました。