フレグランス

非接触系における

新規定量的抗菌試験

「総菌回収法」確立の検討

コロナ禍を経て、空間抗菌性を謳った芳香剤などの製品を多く見かけるようになりました。

しかし、実はその空間抗菌評価方法に公定法はなく、周知の方法はいずれも非常にあいまいで定性的であるという問題があります。

問題解決の一助とすべく、当社では密閉空間における抗菌性を簡便で定量的に評価する「総菌回収法」を開発しました(2024年10月時点、特許出願中)。この方法はMIC(最小発育阻止濃度)やMBC(最小殺菌濃度)も算出できる方法であり、定量的に空間抗菌性を比較することができます。総菌回収法を試験法として確立すべく、結果への培地洗浄回数の影響、使用する培地の種類の影響および初菌数の影響検証、さらにはサンプルの用量依存性の検証を実施しました。

その結果、各種条件を最適化することができました。また、香料による空間抗菌性は用量とともに直線的に上昇するのではなく、ある用量で急に抗菌力が上昇することなども見いだされました。

本方法を運用することで、より強い空間抗菌性が期待されるフレグランス香料をスピーディーに顧客に届けられるようになりました。


【学会発表】

この研究成果は2024年9月17日~18日に開催された日本防菌防黴学会第51回年次大会
(会場:タワーホール船堀/東京)でポスター発表を行いました