非接触における
抗菌試験の新規定量的方法の開発
非接触における
抗菌試験の新規定量的方法の開発
長いコロナ禍を経て、より快適な空間や住環境を求めて注目されるようになった「空間における抗菌性や抗ウイルス性」。
空間抗菌性を謳った数々の製品を見かけるようになりましたが、実はその評価方法に公定法はなく、周知の方法はいずれも非常にあいまいで定性的であるという問題を抱えております。
この問題を解決すべく、当社においても香料の空間抗菌性評価系について試行錯誤し、「総菌回収法」の開発に至りました(2024年5月時点、特許出願中)。総菌回収法は、密閉空間における抗菌性を簡便で定量的に評価できることが特長です。従来は密閉されたビン内で、培地に塗布した菌と香気成分を非接触暴露下で培養し、出現したコロニー数で抗菌性の強弱を判断していましたが、総菌回収法では「目に見えない程度の菌の増殖」に着目し、ビン内の総菌数を算出しました。出現したコロニー数と総菌数には顕著な差があり、この方法を用いることで、これまでの見た目での評価では「同等」と判定されていた結果であっても、比較評価が可能となりました。これにより、空間抗菌性が期待される調合香料をスピーディーに顧客に届けられるようになりました。
【学会発表】
この研究成果は2023年8月29日~30日に開催された日本防菌防黴学会第50回年次大会(会場:ライフサイエンスセンター/大阪)でeポスター発表を行いました。