乳製品の光照射により発生するオフフレーバーの解明
紙パックやペットボトル入り乳製品は、商品陳列時に受ける光照射によりオフフレーバーが発生し香味変化が生じるため、オフフレーバーをマスキングできればおいしさを維持することができます。
より効果的なマスキングフレーバーを開発するために、蛍光灯とLEDで光照射した市販のヨーグルトドリンクを分析し、光照射により発生するオフフレーバーの解明を試みました。
SBSE法によるGCにおいかぎの結果、オフフレーバー候補は3-Methyl-2,4-nonanedione、1-Octen-3-one、Bovolide、各種不飽和アルデヒド類に絞りこみました。
これらの成分の定量結果をもとに光照射前のヨーグルトドリンクに添加し、官能評価により光照射品と比較を行ったところ、オフフレーバーが再現されることを確認できました。
以上より、光照射によって生成するオフフレーバーの原因成分をつきとめることができ、これらの知見をもとに新たな乳製品向けマスキングフレーバーの開発に成功しました。
この研究成果は2023年8月24日~26日に開催された日本食品科学工学会 第70回記念大会(会場:京都女子大学/京都)で口頭発表を行いました。