フレーバーフレグランス

DAMASCENOLIDE®の

二重結合に関する新規異性体の合成とその香気特性

 我々のグループではバラの重要香気成分としてシトラス様香気を有するDAMASCENOLIDE [化合物1, 登録商標, 長谷川香料株式会社, 4-(4-methylpent-3-en-1-yl)furan-2(5H)-one] を見出したことを既に報告しています。化合物1は「バラに天然らしさを付与する効果」などを有する有用な香料化合物であることがわかっていますが、より優れた新規香料化合物の開発を目的とし、化合物1の類縁体に関する研究を行っています。本論文ではDAMASCENOLIDE®の二重結合に関する新規異性体11種(化合物2~12)を標的化合物として選定し、これらの合成方法と香気特性について発表しました。また構造と香気の関係性について得られた知見も併せて発表しました。本研究成果をまとめた論文がTop Cited Article 2020-2021*1) を受賞しました。

 

*1) 2020年1月から2021年12月の間にFlavour and Fragrance Journalに掲載された論文の中で、被引用件数が多い論文が選出される賞


【論文発表】

この研究成果はFlavour and Fragrance Journal, 2020, 35(3), p.341-349 に、「Synthesis and odour evaluation of double-bond isomers of DAMASCENOLIDE, 4-(4-methylpent-3-en-1-yl)-2(5H)-furanone, which has a citrus-like odour」の題名で論文が掲載されました。

本研究は、東京農業大学分子設計学研究室と共同で行いました。