第89回 SCCJ研究討論会にて
「多価アルコール法を用いたサイズ制御リポソームの調製」
を発表いたしました。

2022/12/02

リポソームは、肌と同様の生体成分で構成されている細胞膜様のカプセルであり、保湿力の高さや使用感の良さなど、化粧品の機能価値や感性価値を高める数々の利点から応用が進められています。これらの利点についてリポソームの粒径との関係性を明らかにするため、本研究では多価アルコール法の調製プロセスを検証することにより、同一組成でのサイズ制御リポソームの調製を試みました。
その結果、粒径100 nm未満~300 nm台までの範囲で粒径制御したリポソーム水溶液を調製できることを動的光散乱法で確認し、粘度計にて粒径が大きいほど粘度も高くなることを確認しました。
従来の高圧乳化機を用いたリポソームの粒径制御には補助界面活性剤の併用が必要とされており、使用感への影響が考えられます。多価アルコール法を用いることで同一組成のまま粒径を制御できることから、粒径違いでの使用感について評価を行いました。本研究結果を通じて、微細な粒径領域でのリポソームの特性や、肌との相互作用の詳細をより明らかにしていけるものと考えています。

この研究成果は2022年12月2日に開催された第89回SCCJ研究討論会(会場:タワーホール船堀/東京都)で口頭発表を行いました。本研究は、日光ケミカルズ株式会社と共同で行いました。