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マスキングフレーバー

香りが創り出す新しい価値

長谷川香料では、最新の研究設備が整った総合研究所において、技術研究所・フレーバー研究所・フレグランス研究所・香料基盤研究所とが連携し、様々な香りに関する研究に取り組んでおります。ここでは、その研究内容につきまして、学会発表や発表論文の中から一部抜粋してご紹介致します。

2018年


商品開発の際、香りをどのように表現するか悩まれることはないでしょうか。弊社では香りをさまざまな側面から可視化した、より分かりやすいコミュニケーションツール、”AVV(Aroma Value Visualizer)”の展開を開始しました。具体的には専門パネルによる官能評価、NIRS等の生理応答計測を活用した評価、色を介した香りや感情の表現方法(Aroma Rainbow®)等を利用して、香りをことばとデータの両面から説明するツールとなっています。なお、弊社の香り可視化への取り組みやAVVについて、第4回ドリンクジャパンにて発表しました(「見えるフレーバーの開発」2018年6月29日、東京)。  
 

2017年

産地別紅茶の風味特徴のマッピングによる把握

日本官能評価学会2017年大会(2017年11月28日、東京)において「官能評価による紅茶の産地別風味特徴マッピング」の演題にてポスター発表を行いました。
紅茶の風味は、茶葉の栽培地の気候条件に左右され、産地(銘柄)により風味に大きな違いがあります。近年では、RTD飲料や菓子等において、単なる「紅茶味」だけでなく、消費者への訴求点として産地(銘柄)を明示する事例も増えています。一方で、紅茶の生産量は生産国の情勢や天候に影響を受けるリスクを有しているため、飲料や加工食品においては、本物の紅茶の特徴を再現でき、安定的に茶葉の風味をコントロールできる香料のニーズは高いです。そこで、今回、香料開発への活用を念頭に、専門パネルの官能評価による紅茶の産地別風味特徴の把握を行いました。

産地別・焙煎度別コーヒー豆の風味特徴の把握

日本官能評価学会2017年大会(2017年11月28日、東京)において「コーヒー豆の産地焙煎度違いによる風味差の体系的な把握」の演題にてポスター発表を行いました。
コーヒーは世界各地で飲まれている嗜好飲料であり、豆の産地、品種、焙煎度等によって風味に様々なバリエーションがあることも大きな魅力です。一方で、これらの要素がそれぞれコーヒーの風味にどのような影響を与えるのかを把握することは、特徴的なコーヒー香料の開発において重要と考えられます。そこで、産地と焙煎度の組み合わせがコーヒーの風味に与える影響を、官能評価を用いて調査しました。

香り表現における色の活用
-明度が高い色が選択される香水は好まれる-

日本官能評価学会2017年大会(2017年11月28日、東京)において「色彩を用いた香りの表現の検討~香りイメージの共有ツール【Aroma Rainbow®】の活用~」の演題にてポスター発表を行いました。
我々は香りを「色」で表現する手法としてAroma Rainbow®を開発しました。このAroma Rainbow®では嗅いだ香りのイメージに一致する色を選択します。本研究では評価者が選択する色の明度と評価者の香りに対する嗜好に強い相関があることを見出しました。

乳化香料の香味発現性を見える化

日本食品科学工学会 第64回大会(2017年8月28日~30日、神奈川)において「QCMを用いた乳化香料の香味発現評価方法について」の演題にて口頭発表およびポスター発表を行いました。
日本清涼飲料研究会 第27回研究発表会(2017年10月17日、東京)において「乳化香料の香味発現見える化検討」の演題にて口頭発表を行いました。
乳化香料の香味は中盤~後半に強く発現し、持続性があることが知られています。今回、水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用い、口腔内の細胞膜を模した疑似生体膜への乳化香料の吸着を測定することで、今まで感覚的にしか表現できなかった乳化香料の香味発現性を可視化することに成功しました。
なお、本研究は、日本食品科学工学会 第64回大会「若手の会」におけるポスター発表会にて優秀賞を受賞しました。

糖度・酸度と飲用温度の違いによる糖酸飲料の飲みやすさ評価

日本味と匂学会 第51回大会(2017年9月25日~27日、兵庫)において「「温度」と「糖度・酸度」の違いによる糖酸飲料の飲みやすさ評価」の演題にてポスター発表を行いました。
糖度・酸度を変化させた糖酸飲料について、温度を変えて飲んだ時の官能評価と唾液腺活動計測を行いました。その結果、糖度・酸度の異なる飲料では風味の感じ方に対する温度の影響が異なること、また温度の違いによる風味の感じ方の違いが唾液腺活動に影響を与えることを示唆する研究結果を得ました。

快・不快なにおいに対する顔面生理応答の変化

快・不快の嗅刺激に対する生体反応を調べたところ、特に不快なにおいに対して、顔面皮膚血流量が増加し、前頭前野酸素化ヘモグロビン濃度は顔面皮膚血流量の経時変化と対応して増加することを示す試験結果を得ました。
本研究は下記の学会にて報告を行っております。
〇日本味と匂学会 第51回大会(2017年9月25日~27日、兵庫)において「嗅覚刺激による快・不快の情動変化が顔面皮膚血流量および前頭葉ヘモグロビン動態に与える影響」の演題にてポスター発表。
〇第95回 日本生理学会大会(2018年3月28日~30日、香川)において「嗅覚刺激による快・不快の情動変化が顔面皮膚血流および前頭葉ヘモグロビン動態に及ぼす影響」の演題にてポスター発表。

キーモン紅茶の重要香気成分の探索

Weurman Flavour Research Symposium 2017(2017年9月18日~22日、オーストリア シュタイアーマルク)において「Characterization of the Key Aroma Compounds in Two Types of Keemun Tea」の演題にてポスター発表を行いました。
ダージリンやウバと並び世界三大紅茶の一つであるキーモン紅茶は蘭を想起させる華やかさや甘さ、そして特徴的なスモーキーな香りを有しています。官能評価や香気分析技術を応用し、キーモン紅茶の重要香気成分を解明するため、本研究では製法の異なる2種類のキーモン紅茶の香気分析を行いました。

バラの微量重要香気成分の解明

Weurman Flavour Research Symposium 2017(2017年9月18日~22日、オーストリア シュタイアーマルク)において「Identification of odor-active trace compounds in roses and fruits」の演題にてポスター発表を行いました。
本研究ではRosa damascena(ダマスクローズ)の花の香気分析を行い、これまでバラの重要香気成分として認知されていなかった2成分(rotundone、damascenolide™)を見出しました。

乳化香料に及ぼすエタノール添加の影響について

第56回 日本油化学会年会(2017年9月11日~13日、東京)においてInfluence of Ethanol Addition on DispersionStability of O/W Type Emulsion Stabilized by PolyglycerolFatty Acid Ester」の演題にてポスター発表を行いました。
第7回 CSJ化学フェスタ2017(2017年10月17日~19日、千葉)において「O/W型エマルションの分散安定性に及ぼすエタノール添加の影響」の演題にてポスター発表を行いました。
油溶性の香料が分散したO/W型エマルションである乳化香料の各種エタノール濃度での分散状態、乳化状態について評価し、エタノールの添加が及ぼす影響について検討を行いました。
なお、本研究は第56回 日本油化学会年会にてポスター賞を受賞しました。

すりおろしショウガより見出した新規化合物

第61回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2017年9月9日~11日、石川)において「ショウガの重要香気成分の同定」の演題にて口頭発表を行いました。
日本食品科学工学会 第64回大会(2017年8月28日~30日、神奈川)において「すりおろし生姜のシトラス調香気の探索と新規カルボン酸の有用性評価」の演題にて口頭発表を行いました。
すりおろしショウガより有用な新規化合物を見出し、調香に応用することで従来技術よりも優れた香気の再現に成功しました。その効果は官能評価により確認されました。

昆布だしのおいしさに寄与する香気成分を探索

第61回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2017年9月9日~11日、石川)において「昆布だしの重要香気成分」の演題にて口頭発表を行いました。
昆布は佃煮、煮物、とろろ昆布、昆布茶など食用方法は多様です。昆布から調製される「昆布だし」は日本料理の基本であり肝であります。そのおいしさはグルタミン酸やアスパラギン酸といった呈味成分だけでなく、揮発性成分である香りの寄与も大きいと考えています。そこでおいしさに寄与する香気成分を見つけるために分析を行いました。

アルフォンソマンゴー中の新規重要香気成分の構造決定

第61回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2017年9月9日~11日、石川)において「アルフォンソマンゴーから見出された新規重要香気成分の構造決定」の演題にて口頭発表を行いました。
アルフォンソマンゴーの香気を研究し、最も高いFD値を示す化合物の中に、新規重要香気成分を見出しました。同成分の構造を明らかにすべく、ocimeneを酸化することで同成分を生成させ、単離・構造推定を行い、実際にその化合物を合成することにより構造決定することに成功しました。

香り表現における色の活用
-香りと言葉と色はイメージを共有している-

日本食品科学工学会 第64回大会(2017年8月28日~30日、神奈川)において「色彩を用いた香りイメージの共有手法~Aroma Rainbow~のご紹介」の演題にて口頭発表を行いました。
第19回 日本感性工学会大会(2017年9月11日~13日、東京)において「香り表現における色の活用~イメージの可視化手法 Aroma Rainbowの提案~」の演題にてポスター発表を行いました。
私たちは日常生活で目に見えない香りの表現を言葉に依存しています。豊かな香り表現を目指し、言葉だけに頼らない香り表現方法を検討する中で「色」を表現の軸に据えたAroma Rainbow®を開発しました。
本手法により香り・風味から表現された「色」と商品色彩設計を調和させることが可能となることが期待できます。

果物の新規微量重要香気成分rotundoneに関する研究

Journal of Agricultural and Food Chemistry(2017年65号)にて以下の報告を行っています。

Journal of Agricultural and Food Chemistry 2017,65(22),
p. 4464-4471
「Identification of Rotundone as a Potent Odor-Active Compound of Several Kinds of Fruits」

Journal of Agricultural and Food Chemistry 2017,65(24),
p. 5026-5033
「Quantitation of Rotundone in Grapefruit (Citrus paradisi) Peel and Juice by Stable Isotope Dilution Assay」

Journal of Agricultural and Food Chemistry 2017,65(25),
p. 5209-5214
「Identification and Characterization of 3-epi-Rotundone, a Novel Stereoisomer of Rotundone, in Several Kinds of Fruits」

本研究では、シラーズワインや胡椒の重要香気成分として知られているrotundoneが、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴーといった果物の香気中にも極微量存在し、それらの果物の香気に大きく寄与しているということを解明しました。さらに、ホワイトグレープフルーツおよびピンクグレープフルーツの果皮と果汁に関してaroma extract dilution analysis(AEDA)およびstable isotope dilution assay(SIDA)を行い、rotundoneの香気貢献度および存在量を明らかにしました。さらに、これまでに報告例のないrotundoneの立体異性体に関して、前述の果物4種中に3-epi-rotundoneが存在していることを解明しました。

グミを咀嚼中の風味変化をTDS法でリアルタイムに評価 香気分析データとの関連を見える化

日本農芸化学会2017年度大会(2017年3月17日~20日、京都)において「Temporal Dominance of Sensations (TDS) 法と機器分析を用いたグミ咀嚼中のレトロネーザルアロマリリースの評価」の演題にて口頭発表を行いました。
本研究では、近年注目を集める時間経過を伴う複数の官能特性をリアルタイムに評価が可能な官能評価手法TDSに着目しました。グミ咀嚼中に広がるレトロネーザルアロマ(口腔内から鼻腔に抜ける香り)の香気分析データと、TDSによる官能評価データを比較し、その関連を確認しました。

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2016年

ニアウォータータイプとスポーツドリンクタイプでは温度の違いで飲みやすさが異なる

日本官能評価学会2016年度大会(2016年11月13日、東京)において「ニアウォータータイプとスポーツドリンクタイプの温度違いに関する風味評価」の演題にてポスター発表を行いました。
ペットボトル飲料の普及により、飲料を常温で飲用するシーンも増えてきています。常温の飲料には、一定のニーズがあるものの、飲料によってはぬるくなると風味の感じ方や嗜好性にも影響を及ぼすことがあるため、本研究では温度の違いによる風味の感じ方や唾液腺活動への影響を調べました。

官能評価手法TI法、TDS法と機器分析を用いたグミを咀嚼中のフレーバーリリースの見える化

日本官能評価学会2016年度大会(2016年11月13日、東京)において「食感の違うグミのTI法、TDS法による官能評価と機器分析によるフレーバーリリースの検証」の演題にてポスター発表を行いました。
時系列の風味変化を把握するTI法(Time Intensity)、TDS法(Temporal Dominance of Sensations)を用い、咀嚼中の風味変化を示す官能評価データと機器分析によるレトロネーザルアロマの分析データを比較し、その関連を「見える化」した取り組みです。また、ヒトによる官能評価データと、開発した人工咀嚼機とPTR-MSによる香気成分のリリースのリアルタイム計測分析の結果との関連を確認しました。

なお、本発表は、日本官能評価学会2016年度大会優秀発表賞を受賞しました。

スダチ中の重要香気成分を同定

第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年10月29日~31日、北海道)において「スダチの重要香気成分の同定」の演題にて口頭発表を行いました。
スダチは日本の代表的な香酸柑橘類の一つです。官能評価からスダチらしさのキーになる特徴を絞り込み、香気分析、構造推定、有機合成による構造決定により、スダチの特徴成分としてスパイシーな香気を持つ3-p-menthen-7-alを同定しました。さらに官能評価により、この成分はスダチらしさを特徴づける重要香気成分であることを確かめました。

バラの微量重要香気成分を解明

第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年10月29日~31日、北海道)において「バラの重要香気成分に関する研究」の演題にて口頭発表を行いました。
本研究ではRosa damascena(ダマスクローズ)の花の香気分析を行い、これまでバラの重要香気成分として認知されていなかった2成分(rotundone、damascenolide™)を見出しました。

“幻の洋梨”「ル レクチエ」の香気分析

第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年10月29日~31日、北海道)において「西洋梨「ル レクチエ」の香気分析」の演題にて口頭発表を行いました。
「ル レクチエ」は、”幻の洋梨”とも呼ばれ希少価値が高く、とろけるような舌触りと芳醇な香りを持つのが特徴とされる西洋梨です。その芳醇な香りを解明するため、ル レクチエの香気分析を行いました。

「スカンクキャベツ」ザゼンソウの香気分析

第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年10月29日~31日、北海道)において「スカンクキャベツ ザゼンソウ植物体のにおい成分」の演題にて口頭発表を行いました。
ザゼンソウは別名「スカンクキャベツ」ともいわれており、植物体が傷ついた時に強烈なにおいが生じます。この強烈なにおいを解明しました。

3種類のプルメリアの花の香気分析

第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2016年10月29日~31日、北海道)において「プルメリアの香気分析」の演題にて口頭発表を行いました。
プルメリアは、南国のリゾートを想起させる花として近年人気が高まっています。原種であるオブツサ種(Plumeria obtusa)のほか、交雑種であるルブラ種(Plumeria rubra)が数多く存在し、これら原種を含む3種類のプルメリアの花の香気を捕集し、詳細な香気分析を行いました。

微量重要香気成分rotundoneのグレープフルーツ中の存在量を測定

第31回日本香辛料研究会(2016年10月8日~9日、滋賀)において「グレープフルーツに含まれるコショウ様香気成分rotundoneの定量と評価」の演題にて口頭発表を行いました。
rotundoneはシラーズワインや胡椒の重要香気成分として報告されていますが、我々の研究により、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴー中にも存在することが分かっています。今回は、香気分析の定量的分析法である Stable Isotope Dilution Assay(SIDA)よってホワイトグレープフルーツおよびピンクグレープフルーツの果皮と果汁中でのrotundoneの存在量を明らかにしました。

高齢者の食事をサポートする香りの提案

第22回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会(2016年9月23日~24日、新潟)において「うま味および風味増強効果を有する香りの唾液分泌促進効果」の演題にてポスター発表を行いました。
食品由来の豊かな香りを忠実に再現した香り(HASEAROMA®)シリーズの中から鰹節の香りに着目し、香りが唾液分泌に及ぼす影響を調べた結果を報告しました。

人工咀嚼機の開発と食品のフレーバーリリース測定への応用

日本食品科学工学会第63回大会(2016年8月25日~27日、愛知)において「人工咀嚼機の開発とグミのフレーバーリリースの評価への応用」の演題にて口頭・ポスター発表を行いました。
本研究にておいしさを感じているときの香りを解明するために、ヒトが食べている状況を再現できるような人工咀嚼機の開発を行い、様々な食品に応用することでレトロネーザルアロマの発現に関する研究を行いました。

なお、本発表は、日本食品科学工学会2016年度大会「若手の会」におけるポスター発表会にて優良発表賞を受賞しました。

ブラッドオレンジ(モロ種)の重要香気成分を初めて解明

11th Wartburg Symposium on Flavor Chemistry and Biology(2016年6月21日~24日、ドイツ アイゼナッハ)において「Aroma character impact compounds in hand-squeezed blood orange (Citrus sinensis (L.) Osbeck) juice」の演題にて口頭・ポスター発表を行いました。
本研究ではブラッドオレンジ(モロ種)の重要香気成分を初めて解明し、通常のオレンジの香りとの違いを生み出している成分はethyl cinnamateおよびethyl 3-phenylpropanoateであることを明らかにしました。

果物中の新規重要香気成分を同定

11th Wartburg Symposium on Flavor Chemistry and Biology(2016年6月21日~24日、ドイツ アイゼナッハ)において「Identification of rotundone as a potent aroma compound in several kinds of fruits」の演題にてポスター発表を行いました。
本研究ではグレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴーの香気分析の結果、シラーズワインや胡椒の重要香気成分として知られているrotundoneが、いずれの果物にも存在することを初めて明らかにしました。本成分は強いwoody香気を有しており、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴーのモデル飲料へ微量添加したところ、それぞれの果物の「天然の果物らしさ」を向上させる効果があることが分かりました。

「こく」を増強するにおい化合物について報告

International Symposium “Characteristics and Action Mechanism of Substances Involved in Koku Attribute in Food Palatability”(2016年6月10日、東京)において「Koku-Attribute-Enhancing Odor Compounds」の演題にて講演を行いました。
本講演では「こく」に関わるにおい化合物としてセロリ中のフタライド類、カツオブシだし中の(4Z,7Z)-trideca-4,7-dienal、各種果物中のrotundoneの紹介をしました。

塩味増強ジペプチドPro-Glyの効率的合成についての研究

Journal of Bioscience and Bioengineering,2016, 122(2), p.155-159 に「Effective production of Pro-Gly by mutagenesis of L-amino acid ligase」が掲載されました。

「おいしさ」を生み出す食品香料の開発

化学工学、2016, 80(11), p.712-714 に「おいしさ」を生み出す食品香料の開発(特集 においと化学工学:豊かな暮らしへの貢献)」が掲載されました。

塩味増強効果を有するジペプチドの探索とそれらのジペプチドの効率的な合成

化学と生物、2017, 55(3), p.182-188 に「l-アミノ酸リガーゼ(Lal)を利用した塩味増強効果を発揮するジペプチドの探索とその効率的な合成法」が掲載されました。

香りによる酸味マスキング効果の評価

第93回日本生理学会大会(2016年3月22~24日、北海道)において、香気成分による酸味のマスキング効果の評価についてポスター発表を行いました。唾液は、食べ物をもっと食べたいと感じたときに加えて、酸溶液など刺激に対して反射的にも分泌されます。また、鰹だしを合わせた土佐酢は酸味がまろやかになることが経験的に知られています。本研究では、鰹節の重要香気成分(4Z,7Z)-trideca-4,7-dienal (TDD)を応用したマスキングフレーバーによる酸溶液の酸味強度の低下を、頭部血流計測装置NIRSによる唾液腺血流応答として計測し、香気成分による酸味のマスキング効果を評価できることを示す結果を得ました。

わさびの新規重要香気成分を特定、その効果を確認

248th ACS National Meeting & Exposition(2014年8月10~14日、米国 サンフランシスコ)で口頭発表を行った内容が掲載されました。(3R,4R)-3-Methyl-4-decanolide, a Novel Lactone Contributing to Fresh Wasabi (Wasabia japonica) Aroma, Importance of Chirality to Flavor Compounds ACS Symposium Series, 2015, 1212, p.99-108

天然食材中の超微量重要香気成分の研究

化学と生物、2016, 54(5), p.365-368 に、「天然食材中の超微量重要香気成分の研究 合成化学を通じた食品香料への応用」が掲載されました。

ジペプチド合成酵素の機能改変による塩味増強ジペプチドの効率的合成に成功

第67回生物工学会(2015年10月26~28日、鹿児島)でポスター発表を行った内容が掲載されました。Effective production of Pro-Gly by mutagenesis of L-amino acid ligase, Journal of Bioscience and Bioengineering, 2016, 122(2), p.155-159

L-アミノ酸リガーゼを利用したジペプチドライブラリーの構築と塩味増強効果を有するジペプチドの探索

日本醸造協会誌、2016, 111(2), p.79-85 に、「L-アミノ酸リガーゼを利用したジペプチドライブラリーの構築と塩味増強効果を有するジペプチドの探索」が掲載されました。

香りによる酸味マスキング効果の評価

17th International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT2016)(2016年6月5~9日、横浜)において、香気成分による酸味のマスキング効果の評価についてポスター発表を行いました。唾液は、食べ物をもっと食べたいと感じたときに加えて、酸溶液など刺激に対して反射的にも分泌されます。また、鰹だしを合わせた土佐酢は酸味がまろやかになることが経験的に知られています。本研究では、鰹節の重要香気成分(4Z,7Z)-trideca-4,7-dienal (TDD)を応用したマスキングフレーバーによる酸溶液の酸味強度の低下を、頭部血流計測装置NIRSによる唾液腺血流応答として計測し、香気成分による酸味のマスキング効果を評価できることを示す結果を得ました。尚、本件は第93回日本生理学会大会(2016年3月22~24日、北海道)でもポスター発表を行っております。

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2015年

食経験に基づいた基材とフレーバーの相性評価

第30回日本香辛料研究会(2015年12月11~12日、京都)において、「グレープフルーツフレーバーはクアシン苦味を含む糖酸味と調和し唾液腺血流応答を増強する」の演題で口頭発表を行いました。単独摂取では忌避反応を引き起こしますが、微量な添加で嗜好性を高める重要なアクセント成分となり得る苦味に着目し、頭部血流計測装置NIRSにより、苦味を含む基材と相性がよく調和するフレーバーを評価できることを示す結果を得ました。なお、本件は日本味と匂学会第49回大会(2015年9月24~26日、岐阜)にてポスター発表も行っております。

塩味増強ジペプチドの探索及び天然物由来の塩味増強素材の開発

第67回生物工学会(2015年10月26日~28日、鹿児島)において、「L-アミノ酸リガーゼを利用した塩味増強効果を有するジペプチドの探索」の演題でポスター発表を行いました。新たな塩味増強ジペプチドPro-Glyを見出し、その知見を基に開発した天然物由来の素材であるゼラチン加水分解物に高い塩味増強効果を見出しました。

改変型ジペプチド合成酵素による塩味増強ジペプチドの効率的合成に成功

第67回生物工学会(2015年10月26日~28日、鹿児島)において、「L-アミノ酸リガーゼへの変異導入による塩味増強ジペプチドPro-Glyの効率的合成法の開発」の演題でポスター発表を行いました。これまでに解明されているジペプチド合成酵素の立体構造と機能に関する知見を踏まえ研究を行い、目的とする塩味増強ジペプチドの効率的合成法の開発に成功しました。

だし味粥に対する鰹節フレーバーの風味増強効果を測定

日本味と匂学会第49回大会(2015年9月24日~26日、岐阜)において、「鰹節フレーバーはだし味粥の風味を高め唾液腺血流応答を増強する」の演題でポスター発表を行いました。(4Z,7Z)- trideca-4,7-dienal含有鰹節フレーバーは、飲料形態だけに留まらずお粥のような半固形状の食品に添加した場合にも、風味増強および唾液腺血流応答の増強効果を発揮することが分かりました。唾液分泌は食べる事と密接な関係があり、お粥に添加した鰹節フレーバーには食欲を亢進させる効果があるのではないかと期待されます。

食べたさの指標となる唾液分泌に伴う血流計測

日本味と匂学会第49回大会(2015年9月24~26日、岐阜)におけるシンポジウム「嗅覚シンポジウム:嗅ぐ方と嗅がれる方のアプローチ:嗅覚の基礎、応用、臨床の最前線」の中で、「光イメージングによる香りの唾液分泌効果測定」の演題でこれまでに頭部血流計測装置NIRSを用いて得られた研究成果の概要をまとめた内容を紹介しました。

果物中の新規重要香気成分を特定

日本食品科学工学会 第62回大会(2015年8月27~29日、京都)において、「果物中に含まれる新規重要香気成分の同定および有用性評価」の演題で口頭発表を行いました。グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴーの香気分析の結果、いずれの果物にも共通して存在する新規重要香気成分としてrotundoneを特定しました。本成分は強いwoody香気を有しており、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、マンゴーのモデル飲料へ微量添加したところ、それぞれの果物の「天然の果物らしさ」を向上させる効果があることが分かりました。

グレープフルーツ中のrotundoneの存在量を測定

第59回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(2015年9月5~7日、大阪)において「果物中の新規重要香気成分に関する研究」の演題で口頭発表を行いました。Rotundoneのグレープフルーツ中の存在量を測定し、測定結果を基にグレープフルーツ果汁の香気再構築液にrotundoneを添加したところ、香気特性が向上し、天然の搾りたて果汁の香気特性に近づくことが分かりました。

なお、本発表は、第13回ベストプレゼンテーション賞(TEAC2015)を受賞しました。

ジペプチド合成酵素の改変により塩味増強ジペプチドの選択的合成に成功

BIOTRANS2015(オーストリア、ウィーン)において「ALTERATION OF THE SUBSTRATE SPECIFICITY OF L-AMINO ACID LIGASE AND SELECTIVE SYNTHESIS OF FUNCTIONAL DIPEPTIDE」の演題でポスター発表を行いました。ジペプチド合成酵素をその立体構造解析に基づいて改変し、目的とする塩味増強ジペプチドを選択的に合成することに成功しました。

2015年度農芸化学技術賞を受賞

長谷川香料株式会社は、この度、「分析・合成・調香技術の総合による新規食品香料開発」について社団法人日本農芸化学会より、「2015年度農芸化学技術賞」を受賞しました。農芸化学技術賞は、農芸化学分野において注目すべき技術的業績、かつ実用的価値がある業績をあげた会員に授与される賞です。

今回の受賞は、複雑な食品本来の香気の再現をめざし、分析・合成・調香技術を総合させ、天然感あふれる新規香料であるHASEAROMA®(ハセアロマ®を開発した取り組みが評価されたことによります。日本農芸化学会2015年度大会(2015年3月26日~29日、岡山)において受賞講演を行いました。

・日本農芸化学会のホームページにおいて、本受賞講演要旨がご覧頂けます。
下記URLをご参照ください。
業績論文表題「分析・合成・調香技術の総合による新規食品香料開発」

L-アミノ酸リガーゼの機能改変による塩味増強ジペプチドの選択的合成に成功

L-アミノ酸リガーゼは、任意のアミノ酸同士を直接連結してジペプチドを合成する酵素です。日本農芸化学会2015年度大会(2015年3月26~29日、岡山)において、「立体構造に基づくL-アミノ酸リガーゼの改変と塩味増強作用を有するMet-Glyの選択的合成法の開発」の演題で口頭およびポスター発表を行いました。酵素の立体構造情報から生物工学的手法を用いて、目的とする塩味増強ジペプチドの選択的合成を可能にする改変型酵素の作製に成功しました。また、本発表は「日本農芸化学会2015年度大会トピックス賞」を受賞しました。

なお、本発表は、日本農芸化学会2015年度トピックス賞を受賞しました。

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2014年

かつお節の新規重要香気成分を特定

日本食品科学工学会誌、2014, 61(11), p.519-527 に、「かつお節の香りに寄与する重要香気成分」の題名で論文が掲載されました。かつお節の新規重要香気成分として(4Z,7Z)-trideca-4,7-dienalを見出し、この成分を含むフレーバーが料理人の評価により、かつおだしをより好ましい風味にさせることを見いだしました。

なお、本論文は、平成27年度日本食品科学工学会誌論文賞を受賞しました。

辛みに対する好みの差を計測

第29回日本香辛料研究会(2014年10月24~25日、札幌)において、「香辛料の辛みに対する嗜好性が唾液腺血流応答を増強する」の演題で口頭発表を行いました。大人になるとやみつくほど好きになる辛みに着目し、香辛料の辛みに対する好ましさの違いが、頭部血流測定装置NIRSによって、唾液腺応答の違いとして捉えられる事を見いだしました。なお、本件は日本味と匂学会第48回大会(2014年10月2~4日、静岡)にてポスター発表も行っております。

炭酸感の増強効果を評価

日本味と匂学会第48回大会(2014年10月2~4日、静岡)において、「炭酸刺激およびフレーバー添加による炭酸感増強が唾液腺血流応答を増強する」の演題でポスター発表を行いました。頭部血流測定装置NIRSによって炭酸感を客観的に評価でき、さらに、炭酸感増強香料 炭酸エンハンサー®の効果を客観的に評価できる事を見いだしました。

辛みに対する好みの差を計測

日本味と匂学会第48回大会(2014年10月2~4日、静岡)において、「辛みに対する嗜好性が唾液腺血流応答を増強する」の演題でポスター発表を行いました。大人になるとやみつくほど好きになる辛みに着目し、香辛料の辛みに対する好ましさの違いが、頭部血流測定装置NIRSによって、唾液腺応答の違いとして捉えられる事を見いだしました。

安定な含硫化合物の合成

第58回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(TEAC)(2014年9月20~22日、和歌山)において、「含硫環状アセタール類の香気特性」の演題で口頭発表を行いました。アセタール化を利用して既存香料物質から安定な含硫化合物類縁体の合成を行い、その香気特徴を明らかにしました。

なお、本発表は、第12回ベストプレゼンテーション賞(TEAC2014)を受賞しました。

月下美人の花の香りの分析

第58回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会(TEAC)(2014年9月20~22日、和歌山)において、「月下美人の花の香気分析」の演題で口頭発表を行いました。一夜限りの開花で濃厚な香りを発散する月下美人について、開花からの時間経過により発散される香りの変化を分析し、香り成分の発散量の変化と官能評価に相関があることを見いだしました。

かつおだしのおいしさに寄与する香気成分

14th Weurman Flavour Research Symposium(2014年9月15~19日、英国ケンブリッジ)において、「A study on the potent odour compound of dried bonito」の題名でポスター発表を行いました。かつお節から見いだした重要香気成分が、頭部血流測定装置NIRSで計測される唾液腺活動を増強することがわかり、かつおだしのおいしさに寄与する事を見いだしました。

わさびの新規重要香気成分を特定、その効果を確認

「Determination of the absolute configuration of a novel odor-active lactone, cis-3-methyl-4-decanolide, in wasabi (Wasabia japonica)」の演題で、248th ACS National Meeting & Exposition(2014年8月10~14日、米国 サンフランシスコ)で口頭発表を行いました。静岡県産沢わさびの最高級品種「真妻」の香気分析を行い、新規重要香気成分を特定しました。さらに、官能評価の結果、本重要香気成分がわさび本来の香りを再現するのに非常に重要であることが判明しました。

わさびの新規重要香気成分を特定

Flavor and Fragrance Journal, 2014, 29(4), p.220–227 に、「Determination of the absolute of a novel odor-active lactone, cis-3-methyl-4-decanolide, in wasabi (Wasabia japonica Matsum.)」の題名で掲載されました。静岡県産沢わさびの最高級品種「真妻」の香気分析を行い、新規重要香気成分を特定しました。なお、本件は248th ACS National Meeting & Exposition(2014年8月10~14日)において口頭発表も行っております。

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2013年

「香料の科学」を出版

長谷川香料株式会社 創業110周年を記念して「香料の科学」を出版いたしました。一人でも多くの方に香料を科学的に理解していただけるように、また、香料に興味のある方や実際に使用している方、香料業界を目指している方に読みやすいような構成を心がけております。本書は全国の書店でお買い求めいただけます。

なお、印税は、視覚が不自由な方を支援する目的で、公益財団法人 日本盲導犬協会へ寄贈しています。

※2013年4月出版当時の広告・税込価格表記

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