香りのコミュニケーションにおける色の活用②
~香りイメージが「色のトーン」で共有できる可能性~
香りのコミュニケーションにおける色の活用②
~香りイメージが「色のトーン」で共有できる可能性~
私たちは言葉だけでは難しい香りの表現を「色」で補う可能性を検討しています。
本研究では香りを色や言葉で表現することについて、「調香師」と「大学生」を比較しました。
調香師と大学生では、香りの知識や表現経験が異なると考えられますが、香りを言語的、色彩的に表現する傾向は大きな差異がありませんでした。しかし、表現に関しては、大学生よりも香りに対する知識や表現経験が豊富な調香師の方が、言葉や色み(色相)に関して表現のバラツキが少ない傾向が認められました。一方で「色のトーン」による香りの表現では両者の統計学的なバラツキの差は小さく、香りに関する知識や表現経験を受けにくいことが考えられます。
このことから「色のトーン」は専門性を問わず、香りイメージを共有しやすいと考えられ、香りのコミュニケーションを深める上で重要な役割を担う可能性が示唆されました。
※備考:PCCS表色系では、色を1.色み、2.あかるさ、3.あざやかさの3つの属性で表します。
トーンとは2.3.を組み合わせて色を表現する概念です。
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