シクロデキストリン
に包接したl-menthol
の構造解析に成功
シクロデキストリン
に包接したl-menthol
の構造解析に成功
シクロデキストリン(CD)は、グルコースを構成単位とする環状オリゴ糖で、環のサイズによってα、β、γ-CDと呼ばれています。この分子は、外側が親水性、内側が疎水性とユニークな物性をもち、その内腔にさまざまな分子を包み込んだり(包接)、放出したり(徐放)することができます。そのため、食品、医薬品、香粧品など様々な分野の製品に使用されています。
l-mentholはβ-CDおよびγ-CDに包接しやすいことが知られており、内腔が狭いα-CDには包接が難しいとされてきました。しかし、今回、α-CDにもl-mentholが包接することを偶然発見し、どのように包接しているかを調べるため、固体NMRおよびVCD(Vibrational Circular Dichroism)を用いて測定を行いました。その結果、l-mentholは内腔が狭いα-CDにフィットするように構造を歪ませ、包接していることがわかりました。
本研究は、横浜国立大学 川村 出准教授との共同で行いました。