フレーバー官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

よりリアルな食体験の追求

“本物感”を付与する

香りの評価方法

近年、飲食品の開発においては、消費のシーン(運転時のノンアルコール飲料など)、あるいは健康志向(低糖、減塩製品等々)の観点に応じて、特定原料の使用を減らしたり、代替しなければならないケースが増えています。こうした場合、香料には減じられた風味を補い、よりリアルな食体験や本物感を再現する効果が求められます。そこで、本研究は、本物感を付与する香りの効果をきちんと数値化する評価系の構築を目指しました。

この研究成果は2019年8月29-31日に開催された第66回日本食品科学工学会(会場:藤女子大学/北海道)で口頭発表を行いました。

よりリアルな食体験や本物感の追求

当社では、よりリアルな食経験を再現すべく、天然感あふれるフレーバーシリーズHASEAROMA®に加え、炭酸感やアルコール感またはミルク感等をUPさせる素材の開発に取り組んでいます。本研究は、こういった素材の効果感を客観的に評価し、わかりやすく数値化することを目的としています。

 

多様な消費シーンへの対応が求められている
方法/結果

ノンアルコールビールの風味をビールに近づける(本物感をアップする)場合を想定し、ビールを飲んでいる時とノンアルコールビールを飲んでいる時で、喉の筋活動に差があるのかどうかを検証したところ、2者間には一定の差が検出されました。

さらに、アルコール感を高める効果のある当社フレーバーをノンアルコールビールに添加すると、喉の筋活動パターンはビールに近づく(パターン類似性を示す値に換算すると約15%)ことが分かりました。

喉の筋活動データは、飲食したサンプルの“テクスチャー”や“味”、“温度”、“好ましさ”“忌避感”など様々な要素によって影響を受けますので、風味が異なれば筋活動データからその差を読み取れる可能性があります。本手法を用いることで、香りによって、どれだけ目標とする風味に近づいたかを数値化できるため、高いレベルで本物感を付与する香料の開発に繋がると期待されます。