フレーバー

いちごの加熱加工による

香気変化の解明

いちごに砂糖を加えて加熱したソースやジャムといった加工品の香りは、いちご生果の香りと同様に「いちごの香り」としてなじみ深く非常に好ましいものであります。これらの香りには加熱の度合いが大きく影響しており、生果から加熱が進むにつれて刻々と変化していきます。この加熱の進行による香りの変化を解明するため、加熱度合いの異なるいちごジャムを試作して官能評価と香気分析を行いました。

まず、官能評価により加熱の進行につれてどのような風味が強まるまたは弱まるかを捉えました。続いて香気分析の結果からいちごジャムの香りに寄与する成分それぞれの加熱による挙動の変化を明らかにすることができました。そして、各成分の持つ香気特性から予想される風味の変化が官能評価の結果と同様の傾向を示すということを確認しました。

 今回、嗜好性のアンケートより最も嗜好性が高くなるジャムの加熱条件が明らかとなりました。その条件で試作したジャムの香りをターゲットに調香し、新たにハセアロマ®いちごジャムフレーバーとしてラインアップしております。

この研究成果は2019年8月29日~8月31日に開催された日本食品科学工学会第66回大会(会場:藤女子大学/北海道)で口頭発表を行いました。