あなたの気分は
どんな色???
~ 色彩による表現で、
香りがもたらす心理状態の
変化を見える化する ~
あなたの気分は
どんな色???
~ 色彩による表現で、
香りがもたらす心理状態の
変化を見える化する ~
我々は香りを始めとする対象物を色彩で表現する手法であるAroma Rainbow®を開発し、様々な検討を重ねてきました。これまで、香りと言葉と色がイメージを共有していること*1、香りの嗜好と色の明るさが強く相関していること*2などを見出してきました。
関連研究
*1 香り表現における色の活用-香りと言葉と色はイメージを共有している-
*2 香り表現における色の活用-明度が高い色が選択される香水は好まれる-
本研究では、香り提示による心理状態の変化と色彩の関係を明らかにすることを目的に好きな精油の香りがもたらす心理状態の変化を二次元気分尺度(以下、TDMS-ST)とAroma Rainbow®を用いて解析しました。
TDMS-STにおいては評価者や香りによって心理状態の変化に違いがあることが判明しました。香り提示前を原点として、香り提示後の心理状態の変化の方向を評価者毎に振り分けて精油を比較してみると、ペパーミント精油、ベルガモット精油、オレンジ精油では、快適な状態でも①快適で沈静している状態と②快適で覚醒している状態に変化する2群に分かれることを確認しました。Aroma Rainbow®による気分評価の結果に着目すると、いずれの群でも、香り提示前よりも香り提示後に明るく・鮮やかな色が選択されました。さらに、快×鎮静群よりも快×覚醒群において、香り提示前後で選択された色の彩度の変化値が大きくなりました。これらの結果から、気分評価で選択された色の彩度は快度や覚醒度と強く関連することが示唆されました。
以上のことから、色彩情報は心理状態を伺い知る手がかりとなり、香りがもたらす心理状態の変化を簡便に推定できる手段としての有用性が示されたと考えています。
この研究成果は2023年11月20日~22日に開催された第25回日本感性工学会大会(会場:タワーホール船堀/東京都)にて「香りの介入による心理状態変化の色彩を用いた可視化」の題目でポスター発表を行いました。