農業廃棄物「ホップ蔓」由来セルロースナノファイバーの乳化機構の解明
セルロースナノファイバー(CNF)は、次世代高機能素材として注目されています。農業廃棄物「ホップ蔓」由来のTEMPO酸化型CNF【HopCNF】を乳化安定剤として用いた水中油滴型(O/W型)エマルションの安定性評価および乳化機構の解明を行いました。
今回、1%程度の【HopCNF】を乳化安定剤として使用することで、常温で1ヵ月以上分離の見られない水中油滴型エマルションが調製可能となりました。また、その乳化機構は、 【HopCNF】が油脂の表面を被覆し、液液界面に吸着した固体粒子によって安定化されたエマルションである『ピッカリングエマルション』を形成していることがわかりました。
この結果から、これまでは廃棄されていたホップの蔓から調製したセルロースナノファイバーが乳化安定剤として利用できる可能性を示す結果となりました。
本研究は、横浜国立大学 川村 出准教授との共同で行いました。
【論文発表】
この研究成果はColloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects、2022, 653に「Using cellulose nanofibers isolated from waste hop stems to stabilize dodecane or olive oil-in-water Pickering emulsions」の題名で論文が掲載されました。
https://doi.org/10.1016/j.colsurfa.2022.129956