フレグランス香気分析

状態により異なる

ユズの香り

~ホールとゆず湯~

 ユズは果皮を香りづけに用いたり、果汁を料理に取り入れるなど食用に用いるだけでなく、その形を愛でたり、ゆず湯にしたり、余すことなく利用されています。本研究では果実丸ごと(ホール)と、冬至のニュースでよく目にするホールのユズがたくさん浮かんでいるゆず湯に注目しました。ホールで表面から発散される香りを捕集し、ゆず湯はお風呂を想定した装置にてお湯表面から立ち上る香りを捕集し、分析を行いました。

 これまで多く研究されてきた果皮油の主成分はlimoneneですが、ホールでは(E)-ocimene とエステル類が、ゆず湯ではエステル類、linaloolとdodec-9-eno-12-lactone が主成分と、状態により香気バランスが大きく異なることが明らかになりました。今回の知見を加えることにより、新たな魅力をもつユズ香料をご提供できると考えています。


【学会発表】

この研究成果は2022年8月30日~31日に開催された第35回におい・かおり環境学会(会場:大同大学/愛知県)で「柚子とゆず湯の香気分析」の題名で口頭発表を行いました。