フレーバー

RTDコーヒーを対象にした

併買行動の分析と

味覚嗜好視点からの考察

~共通の香り成分が人を誘う?~

 食品に含まれる「香り」は、人が認識する風味特徴の大半を形成し、食品の味覚嗜好に大きく影響しているといわれています。本研究では、この「香り」が消費者の商品選択の一要因となり実際の食品の併買行動に関与しているかを検証しました。

 アソシエーション分析ツールgOLAP(graph Online Analytical Processing)を用いてRTDコーヒーの期間併買を分析した結果、共通する香り成分を持つ食品同士の併買に関係性があり、消費者は共通した香り成分を含む食品を無意識に購入している可能性が示唆される研究結果を得ました。

 特定の商品がなぜ併買されているかを分析する際、これまでは“利用シーン”や“ニーズ”から考察されることが大半でしたが、本研究からは、“嗜好・好み”という切り口でのセグメンテーションが可能となり、新たなアプローチでのマーケティング施策や商品開発への応用が期待されます。

【学会発表】
この研究成果は2021年10月17日に開催された日本マーケティング学会カンファレンス2021(オンライン開催)で口頭ポスター発表を行い、ベストポスター賞を受賞しました。本研究は、中央大学松下光司教授 専修大学中原孝信准教授と共同で行いました。

【発表学会】 日本マーケティング学会カンファレンス2021 (2021年)
【発表タイトル】 RTDコーヒーを対象にした併買行動の分析と味覚嗜好視点からの考察~共通の香り成分が人を誘う?~
【発表者】 松原 礼1、中原 孝信2、大森 雄一郎1、平木 拓1、中西 紫乃1、高久 寛康1、松下 光司3、 1長谷川香料株式会社、2専修大学、3中央大学大学院
【参考文献】 日本マーケティング学会カンファレンス2021 カンファレンス・プロシーディングス(予稿集), 2021.10.29 Proc.Vol.10