部署の垣根を越えた連携により、タイ市場の人気飲料に初めて採用をいただいた3名。
それぞれの視点から、国境を越えたチームワークの舞台裏と熱い想いを存分に語り合います。

営業部(国内担当)
K.N
営業部(タイ駐在[当時])
S.S
営業部(国際担当)
Y.I

部門の役割を掛け合わせた共働の始まり。

今回お話しするのはタイ市場での新規案件についてです。私は国内営業でフレーバーの販売に従事していますが、お客様から「日本で販売されているこの飲料をタイでも販売したいので、現地で使用できるフレーバーを提案して欲しい。」とのお話をいただいたのが始まりでした。そのお客様について、日本では多くの商品に当社の香料を使用いただいていますが、現地での採用実績はありませんでした。海外で販売する商品であっても、開発自体は日本で行われていたため、私は日本の開発担当の方からコンセプトを詳細にヒアリングし、様々なタイプのフレーバーを提案しました。

私はタイの駐在員として、K.Nさんが受け止めた日本側の開発コンセプトを現地のお客様へ繋ぐ役割でした。前任者が紡いだお客様との関係性を引き継ぎ、現地の開発マネージャーに試作品を何度も評価してもらうという営業活動を積極的に行いました。

そして私は国際営業としてお二人の真ん中に立ち、日本と現地の情報をすり合わせながら、価格算出や現地規制の確認、輸出書類作成、受注後の製造指示から出荷調整まで一貫して管理する調整役を務めました。

海外案件は確認事項が非常に多く、宗教上の制約への対応など国内営業だけでは判断がつかないことばかりでした。そのため、国際営業の経験が豊富なY.Iさんや、現地で直接交渉して生の情報を提供してくれるS.Sさんの存在は本当に心強かったです。

今回の商品の風味について最終評価を下すのは現地のお客様です。日本とタイとの間で強固な連携を繋いだことで、結果的に当社の香料を採用いただくことができました。また、この取り組みがきっかけで、その後も多くの依頼をいただけるようになりました。

国内営業、海外駐在、国際営業という3つの異なる組織が1つのチームとして機能したからこそ、複雑な海外案件でも着実に進めることができました。役割が明確だったからこそ、お互いに信頼してスピード感を持って動くことができましたね。

そうですね。私は日本の開発側、S.Sさんはタイの現地側、Y.Iさんはその間を繋ぐ物流や法規制に明るい。この強固なネットワークと専門性が、長谷川香料の組織力を活かしたグローバル連携の武器であり、今回の取り組みのベースとなりました。

不測の事態を突破しワンチームで繋ぐ信頼のバトン。

タイ市場向けの製品開発は、日本とは異なる現地の文化や嗜好性に合わせるクリエイティブな取り組みでした。タイでは甘さが重視されるなど、日本と風味の嗜好性が大きく異なります。現地で好まれる味を模索し、日本で作った試作品をタイに送ってもらい、現地のお客様に評価してもらうというサンプルワークを何度も行いました。

開発段階で評価が高かったフレーバーの原料の一部が急遽終売になるトラブルもありましたね。代替品を急いで手配し、品質の再確認を行いました。また、通常1ヶ月かかる実機ラインテストですが、現地の市場スピードに合わせる必要性が生じ、突然前倒しされるといった展開もありました。

前倒しは本当に驚きましたね。ただ、海外市場の展開は流動的であることをあらかじめ理解し、変更前提で動いていたため、すぐに連絡を受けて製造部門や物流と交渉し、複数の選択肢から最速ルートを確保して、製造と輸出準備を同時に進めました。

タイ側でも通関や配送を極限まで短縮しテストに滑り込ませました。また、宗教上の制約への対応要否が不明だった段階で、Y.Iさんが『必須になる』と先回りして品質保証部と書類を整備してくれていたのも本当に助かりました。

本当にY.Iさんの先回り力には救われました。さらにタイ政府の法改正により、某栄養素の推奨摂取量が突然変更されたことに伴い、香料の配合調整を迅速に行う場面もありました。現地でS.Sさんが即座に法改正情報をキャッチし、共有してくれたからこそ防げました。

情報の伝達が緩やかな現地から、駐在のS.Sさんが最上流の情報を素早く吸い上げてくれたからこそ、手戻りを最小限に抑えられました。ハブとしての連携が、法規制や突然のスケジュール変更という巨大な壁を乗り越える鍵でした。

『お客様の商機を逃さない』という強い想いを共有し、製造や品質保証を含む全部門が一致団結して動いた結果、タイで初めて当社製品を採用していただきました。全員の即応力と団結力がスピード解決を生みましたね。

真の日本品質とは。価値創造を支えるカスタマーサクセス。

本案件を通じて、当社が誇る『日本品質』の真意に気づきました。それは香料自体の品質が良いことだけでなく、法規制対応から急なトラブル時の迅速な対応力、確実に物流を整える段取り力までを含めた、オペレーション全体の強固な信頼性ですね。

同感です。採用決定後、お客様の日本人駐在員の皆様から送別会を開いていただいた際、『長谷川香料と仕事ができて本当に安心できた』とお礼を言われた時は、営業冥利に尽きました。お客様の挑戦を支える『カスタマーサクセス』の重要性を学びました。

海外の複雑な規制や原料の不一致といった点を一つひとつクリアする経験を経て、国内営業としての視野が大きく広がりました。ただ単に要望通りのフレーバーを届けるだけでなく、お客様のグローバルな販売戦略に寄り添うことの大切さを実感しています。

私も、受け取った指示通りに手続きを進めるだけでなく、海外ならではの『変更が起こる前提』で先回りして複数の選択肢を準備する習慣が身につきました。国を跨ぐ取引だからこそ、事前にリスクを洗い出し、常に次の一手を備えておくことが大切です。

タイの法規制改正や物流遅延など、個人の力では解決できない環境変化が起きても、日本の研究、品質保証、製造、そして営業が一丸となって迅速にバックアップしてくれる体制こそが、長谷川香料が世界で信頼される最大の強みだと確信しました。

同じ目標に向かって一丸となり、全員の力を結集してグローバルに連携できた経験は、今後の業務を支える強固な基盤になりました。今回得た学びを次の世代にしっかり引き継ぎ、さらに世界の市場へ価値を提供していきたいですね。