フレグランス香気分析

クチナシの花香気より見出した香気寄与成分に関する研究

 クチナシは心地よい芳香を有する花として知られ、その香りをモチーフとしたフレグランス製品も多く上市されています。本研究では、より精密にクチナシの花の香りを再現した香料の開発を目的として花の香気を詳細に分析したところ、カラマス様香気、ミューゲ様香気を有する2つの不明香気寄与成分が存在することを確認しました。これら成分について詳細に研究した結果、カラマス様香気成分は(4E,7E)-4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienal、ミューゲ様香気成分は(4E,7Z)-4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienalであると同定することができ、天然物からは初めて見出された成分であることがわかりました。

 また、当社総合研究所にて植栽されている他の花の香気を分析したところ、マツリカ、ジンジャーリリー、スイカズラ、ミヤマガンショウなどの花の香気にも含まれていることがわかりました。このことから、4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienalは広く花の香気中に存在する可能性があり、天然の花の香気を再現するうえで有用な香料化合物となり得ることが示されました。

 さらに、生成メカニズムに関する研究を行った結果、4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienalは花の香気中に存在するα-farneseneのオゾン酸化により生成する可能性が示唆されました。


この研究成果は下記の学会にて発表を行いました。

2024年9月8日~11日、54th International Symposium on Essential Oils

(会場:Hunguest BAL Resort, Balatonalmádi, Hungary)、ポスター発表

「Identification of 4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienal compounds in the headspace aroma of blooming gardenia flower」

2025年11月1日~4日、第69回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会

(会場:徳島文理大学 徳島キャンパス/ 徳島県)、口頭発表、ベストプレゼンテーション賞に選出

「クチナシの花ヘッドスペース香気より見出した4,8-dimethyldeca-4,7,9-trienalに関する研究」