官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)香気分析

食用コオロギパウダーの

官能評価と機器分析

 近年、人口増加により増大するタンパク需要への対応の一つとして、昆虫食への注目が高まってきています。しかし、昆虫食にはその独特の風味もあり、風味付与・改善やマスキングの重要性も注目されています。そこで風味付与・改善、マスキング技術開発のため、各種コオロギパウダーについて官能評価、機器分析を行いその特徴について調査しました。

 対象サンプルには食用可能な品種、産地別計5種類のコオロギパウダーを用いました。

 官能評価はコオロギパウダーをそのまま食し、風味特徴をすり合わせ、各特徴用語の強度を評価しました。機器分析は、コオロギパウダーから香気成分を抽出後、ガスクロマトグラフ分析に供しました。

 官能評価結果、香気成分分析結果いずれの統計処理結果においても、品種ごとの分類ではなく、大きくは産地別で特徴が類似する結果となりました。

 これらの結果から、コオロギパウダーの風味形成には産地、飼育環境が影響を与えることが示唆され、マスキングフレーバー開発の知見を得るとともに、より美味しいコオロギパウダーの開発に関して可能性を見出しました。


この研究成果は2023年11月26日に開催された日本官能評価学会2023年大会(会場:東京農業大学/東京都)でポスター発表を行いました。