官能評価/生理応答計測AVV®(香りの見える化)

おいしさが生まれる

タイミングを測定する

~摂食行動シーン・ダイアグラム~

【日本味と匂学会誌に掲載】

食事は、食物を口に入れる前の食前シーンから、口の中で咀嚼や風味チェックを行い嚥下するシーンを経て、完全に嚥下した後に余韻を楽しむシーンへと展開します。また、食前シーンでは視覚や嗅覚の情報、食物が口に入った後は味覚、嗅覚、触覚等の情報が脳へ送られるといったように、脳へ入る食物からの感覚情報は食シーン展開と密接に関連して変化します。そして、摂食行動のシーン展開とともに私達の中に「おいしさ」「満足感」などの様々な感情が生まれます。本研究では、「呼吸・心拍計測を伴う時系列官能評価法」を開発し、それにより得られた「摂食行動シーン・ダイアグラム」により、摂食行動シーンと感情の生起、自律機能変化の関係をパネリストごとに分析する方法を開発しました。

本評価系は飲食品のフレーバー開発に有用であり、「おいしさ感」を引き起こす飲食品の開発や、おいしく調理する方法の開発等、広く応用可能であると考えています。


【論文発表】
この研究成果は日本味と匂学会誌、2021, 28(2), 61-66に「おいしさが生まれるタイミングを測定する-摂食行動シーン・ダイアグラムー」の題名で総説が掲載されました。本研究は、東京大学と共同で行っており、本内容の一部は、日本味と匂学会の第54回大会にてオンライン口頭発表を行っています。