フレーバー官能評価/生理応答計測香気分析

唐揚げの「揚げたて感」に寄与する成分を解明

 唐揚げを含む揚げ物類は、時間経過により好ましくない食感や香気に変化してしまうため、おいしさの維持や食品ロスの削減という観点からも「揚げたて感」の持続は重要なテーマとなっています。本研究では、唐揚げの「揚げたて感」に寄与する香気成分を探索するため、揚げたておよびホットボックスに保管した唐揚げの香気成分について分析を行いました。

 GC分析を行った結果、揚げたての唐揚げはホットボックス保管の唐揚げと比較して3-methylbutanalなどの低級アルデヒド類、2-methylpyrazineなどのピラジン類、furfuryl alcoholなどのフラン類の存在量が多いことがわかりました。次に、香気貢献度の高い成分を絞り込むためAroma Extract Dilution Analysisを実施したところ、揚げたての唐揚げの香気には(E, E)-2,4-decadienal、maltol、trans-4,5-epoxy-2(E)-decenal、4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanone、(E)-2-nonenal等が重要であることが明らかとなりました。これらの分析結果をもとに「揚げたて唐揚げフレーバー」を作成し、唐揚げへの添加効果を官能評価により検証しました。その結果、フレーバーの添加により揚げたての唐揚げに特徴的であった「軽い香ばしい香り」「ジューシー感」「甘さ」「醤油様」の強度が高くなり、ホットボックス保管の唐揚げに特徴的であった「こげ」「油の劣化臭」「ムレ臭」「鶏の臭み」の強度が低減されることが分かりました。

 以上、本研究にて開発したフレーバーにより、調理後時間の経過した唐揚げの風味を改善でき、おいしさを持続することが可能となりました。


【学会発表】

この研究成果は2021年8月26日~28日に開催された日本食品科学工学会第68回大会(オンライン開催)で「唐揚げの「揚げたて感」に寄与する香気成分の探索」の演題で口頭発表を行いました。